【決算】日医工、CKサンエツ、澁谷工業 / 2022年8月12日公表分まとめ

【決算】日医工、CKサンエツ、澁谷工業 / 2022年8月12日公表分まとめ

2022年8月12日

2022年8月12日に決算を発表した北陸の上場企業のうち、以下の3社について取り上げる。

  1. 日医工(富山市)    2022年4~6月期(第1四半期)の連結決算
  2. CKサンエツ(高岡市)  2023年3月期の連結業績予想の上方修正
  3. 澁谷工業(金沢市)   2022年6月期の連結決算、23年6月期予想の公表

日医工の第1四半期は赤字拡大

日医工の2022年4~6月期の連結決算(国際会計基準)は増収だったが、営業、最終赤字が拡大した。

売上収益営業損益四半期損益
2022年4~6月期47,062(42,943)▲6,549(▲4,124)▲4,200(▲3,777)
単位は百万円。▲は損失。カッコ内は前年同期実績

売上収益は前年同期比9.6%増。日医工グループ(≒国内)は薬価改定による販売単価の下落、不正を起こした富山第1工場の製造品の出荷再開が想定より遅れている影響があった一方、販売数量が回復した。ただ、コア営業損失は35億円から34億円に少しだけ改善した。

セージェントグループ(≒米国)は生産設備の見直しによる工場の稼働停止の影響、主力品の販売単価の下落により、コア営業損失は4億円から17億円に拡大した。

23年3月期(通期)の業績予想は事業再生ADR手続き中につき未定としている。

CKサンエツ通期予想、減益から一転、最高益更新へ

CKサンエツは8月12日、2023年3月期(今期、通期)の業績予想を上方修正した。これまでは経常、最終減益を予想していたが、一転して増益となり、過去最高益を更新すると見通した。

売上高営業利益経常利益純利益
前回予想122,0006,0006,2003,700
今回修正予想126,0006,5009,3006,000
前期実績115,34310,7716,5714,313
単位は百万円

伸銅事業で主要原材料の銅の相場価格が当初の見込みより高く推移したため。営業利益は前期よりも減る。

澁谷工業の今期は増収も減益予想

澁谷工業が発表した2023年6月期の連結業績予想は増収だが減益の予想となった。

売上高営業利益純利益
2022年6月期実績96,223(▲7.4)13,402(5.5)9,262(4.9)
2023年6月期予想102,000(6.0)8,800(▲34.3)6,400(▲30.9)
単位は百万円。▲はマイナス。カッコ内は前期比増減率=%

2023年6月期は「パッケージングプラント事業」「メカトロシステム事業」とも増収見込み。パッケージングプラントは特に食品向けで投資の動きがあるため飲料向け無菌充てんシステムが好調に推移する見通しで、メカトロシステムは半導体製造装置向けで需要の好調さが持続するという。

それにもかかわらず減益予想なのは、農業用設備事業が大幅な減収見込みなのに加え、パッケージングプラントは海外での価格競争の激化、新工場の稼働に伴う固定費負担の増大を織り込んだから。また、全ての事業分野で部品調達コストの上昇を見込まざるを得ず、全社では3割減益を予想した

配当は中間30円、期末40円の年70円を据え置く。

国分 紀芳

国分 紀芳

1985年生まれ。石川県出身。慶應義塾大学商学部を卒業後、北國新聞社に入社。キャリアの大半を経済記者として過ごす。2022年2月に独立・起業した。

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