不動産情報サービス大手のシービーアールイー(CBRE)のまとめによると、2022年6月期の金沢のオフィス空室率は7.6%で、前回調査(3月期)と横ばい水準だった。
直近の空室率はグラフを見て分かる通り、2020年9月期の4.5%を底に、最近は上昇基調にある。
コロナ禍でリモートワークが浸透したり企業活動が停滞したりしてオフィス需要が減退している一方、従前から計画されていたオフィスビル建設が徐々に完成し始めた結果、空室率が高め(悪め)で推移しているとみられる。
金沢駅西では近年、小~中規模のオフィスビルが次々と完成した。空きのあった大規模オフィスも人気は高く、南町や香林坊といった旧来のオフィス街から駅西に拠点を移す流れが顕著になっていた(南町あたりではオフィスの跡がホテルに変わっていった)。
この点、金沢駅金沢港口(西口)の金沢市広岡3丁目ではJR西日本グループが地上10階建てのオフィスビル「JR金沢駅西第四NKビル」を開発中で、その大きさはJR西日本不動産開発がプレスリリースで「金沢エリア最大規模の貸室空間(基準階面積:約678坪)」と自称するほど。
同ビルは2022年8月中の完成を目指している。金沢のマーケットにこれほど大規模なオフィスが供給されるのは久しぶりだが、少なくとも今後の空室率を引き上げる方向に影響を及ぼすのは間違いなさそうだ。