医薬品の卸売りや製造販売を手掛ける東邦ホールディングス(東京)が、北陸自動車道森本インターチェンジの近くに物流拠点を新設することが分かった。
建設地は金沢市河原市町の「金沢森本インター工業団地」内にあり、現状は鉄骨の組み上げ作業が進んでいる。
計画によると、物流拠点は面積が9443・83平方メートル。設備投資額は未定ながら、2021年中には完成する見込みらしい(ただ、9月頭で写真のような進ちょく状況なので、素人目には、間に合うのだろうか、とは思う)。
そもそも一般人にはなじみの薄そうな企業なので、紹介。東邦HDは1948(昭和23)年9月設立で、東証1部に上場している。連結ベースの従業員数は2021年3月末時点で7732人。
同社の2021年3月期の連結売上高は1兆2102億円、純利益は49億8900万円となっている。コロナ禍の医薬品業界は受診抑制によりマイナス影響を受けているので、実際の実力は、もう一回り上だろう。
北陸では2018年10月、北陸三県を管轄する医薬品卸売業の会社として、北陸東邦(富山市)を設立した。北陸での売り上げ規模は順調に伸びており、今後も伸びが見込めるようで、将来の成長を見越した物流体制を確立するため、物流拠点の新設に踏み切ったとみられる。
※続報は以下のリンクから。
ゲンキーは店舗ない小矢部に物流センター
そう言えば、ドラッグストアのGenky DrugStores(坂井市)は店舗のない(出店予定もない)富山県の小矢部市に物流センターの建設を計画している。小矢部は出店を進める能登半島や岐阜方面に抜けやすい立地からだ。
今回の東邦HDの計画も、石川、富山県境辺りの交通の利便性を評価したものとみられる。北陸東邦の本拠地は富山で、医薬品の製造機能では「薬都・富山」を自称する富山県と石川県では比べるべくもない。
ただ、広域の物流拠点となると、富山市ではなく、石川、富山県境に近い森本インター周辺が立地場所に決まったところが興味深い。今後もこうした流れは続きそうだ。