総合物流業のビーイングホールディングス(HD、金沢市)が2021年12月期の連結業績予想を上方修正した。今回は修正の概要を紹介し、次回の記事で上場からまだ日の浅い同社を紹介する。(※業績予想を修正したのが9月15日である点に注意)
営業収益 (百万円) | 営業利益 (百万円) | 経常利益 (百万円) | 純利益 (百万円) | |
今回修正予想 | 19,800 | 950 | 1,000 | 650 |
前回公表予想 | 19,500 | 800 | 820 | 500 |
増減率 | 1.53% | 18.75% | 21.95% | 30.00% |
上方修正の背景はコロナ禍で事業環境の先行きが見通しにくかった中、前期に稼働した物流センターが通年で業績に寄与するほか、自社開発の生産性管理システムや輸配送管理システムの活用により、合理化が進んで営業原価を圧縮できたという(この点は次回記事でも触れる予定)。
上の表で以前の計画と比べると、売上高の上振れ分よりも利益の上振れ分の方が大きいのがよく分かる。
業績予想の上方修正に合わせ、期末の配当予想は20円から23円に引き上げた。上場したばかりだった前期の期末配当は普通配当15円に記念配当5円を加えた20円だった。
その20円をベースとして考えた上で、さらに増配というのは、株主還元への認識の高さがうかがえる。
ちなみに同社の株価は9月27日の終値が1649円。大引け後に上方修正を発表した15日の終値が1575円だから、5%弱の上昇となっている。
現状の株価水準で見た配当利回りは1・5%程度で、見た目上はそれほど高くないが、成長企業であり、設備投資も必要な物流業にしては、それなりに高い水準とも言えそうだ。