金沢カレーを全国に広めた立役者の一角、ゴーゴーカレーグループ(金沢市)が、東証スタンダード上場の日本製麻(本店・砺波市)の株式を買い進めている。しかし、悪い意味で当初の目論見から外れた事態が相次ぎ、混迷の度合いを深めている。
もともとは日本製麻にレトルトカレーを作る技術・設備があるため、連携するメリットがあるという話だった。ゴーゴーは同社単独で一時筆頭株主になり、2023年3月にはゴーゴー創業者の宮森宏和氏が日本製麻の社長に就いた。
ところが、その後、ゴーゴーは株式取得の過程で協調していたシンガポールの投資会社と揉める。2023年8月には、日本製麻が強引で独断専行的な言動があったとして、宮森氏を解職し、ヒラ取締役に格下げした。
社長の座を追われた宮森氏は新聞の取材に対し、さらに株式を買い増す姿勢を見せた。こうなると、「ゴーゴー」と「(シンガポールの投資会社&)日本製麻」という対立構造が際立ち、着地点が分からなくなっている。
その後、日本製麻側は同社株をゴーゴーが買うに当たり、宮森氏によるインサイダー取引があった可能性があるとして特別調査委員会を設置。2023年11月に「確かにインサイダーの可能性あり」という報告書を受け取り、宮森氏に取締役も辞職するよう勧告することにした。
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