コロナ禍での雇用調整助成金の不正受給が発覚した加賀市山代温泉の「みやびの宿 加賀百万石」について、運営会社の新社長に就任した吉田久彦氏が2022年10月23日、コメントを発表し、経緯を説明するとともに、今後の営業に向けた意気込みを示した。
※コメントは23日付。当日に気付くべきでしたが、目が節穴でした。お詫びします。
一言にまとめると「現場レベルで不正があり、経営陣は知らなかったが、責任をとって辞任したので、旧ホテル百万石の創業家出身の新社長が就いた。再発防止を誓う」という内容。コメントの要旨は以下の通り。
- 報道は一部に誇張があるが、ビッグ総合開発(大阪市)の運営時代に不正があったのは事実。
- 現場の役職者が不正を指示し、本社の経理部長が助成金を申請した。その際、経営陣への報告や相談は一切なかった。
- ただ、会社の代表者としての管理責任があるとして、(金沢孝晃)会長は9月に代表取締役を退いた。
- 旅館運営は2021年12月に「株式会社みやびの宿加賀百万石」へ移った。それ以降は不正受給していない。一部に以前の不適切な申請も残っていたが、受給前に申請を取り下げた。
- 22年10月17日に(旧「ホテル百万石」創業家の)吉田氏が代表取締役に就いた。
- 22年10月27日に新社長の就任記者会見を予定。吉田氏がその場で不正受給に関するお詫びと説明を行う。
- 不正を2度と起こさないよう(原文は「起こらないよう」となっている)社員教育と労務管理を徹底させるとともに、サービス品質を向上させる。
「一部に誇張」というのは、金額の話か、不正の仕組みの話か、悪意の程度の話か、当サイトで指摘したように旧「ホテル百万石」と混同させるような報道内容のことか。
それはともかく、記者会見を開くなら、地元のマスコミに加え、中央のマスコミが押し寄せてくる場合もある。新聞記者をやって感じたのは、記者の実力が本当に試されるのは、他のマスコミと比較できない独自ネタを報じる時ではなく、全社が平等に横並びで出席する会見の報道時だ。
発言内容を垂れ流すだけの記者もいれば、興味深くなるよう再構成して工夫する記者もいるし、さまざまな周辺情報を付け加えて書く記者もいる。日本経済新聞あたりは当日の動きを連載の1回目に取り込んで活用することも。27日夕方以降の各社の出方が楽しみだ。
筆者も出席しようかなあ。
※まとめページは以下のリンクから