2023年2月3日の日本株式市場で、ダイワ通信(金沢市)の株価がストップ高で引けた。
終値は前日終値と比べて300円(23.72%)高い1,565円で、どうやらスシローをはじめとした回転寿司の問題動画投稿からの連想で株価を大きく上げたようだ。
※続報は以下のリンクから
3日の時間外取引では、さらに株価が上昇した。19時時点では1,700円前後にあり、取引時間中の昨年来高値である1,638円を上回っている。
なぜ、ダイワ通信の株価が高騰するのか
なぜ、回転寿司で問題動画が上がると、ダイワ通信の株価が上がるのか。
今回、回転寿司各社は問題動画の投稿者に対し、警察に被害届を出すなど強い姿勢で臨み、対策を強化するとしている。
この点、下のリンク先の記事で書いたように、ダイワ通信は祖業のモバイル事業に加え、セキュリティ事業も展開している。このセキュリティ事業こそが、今回の株価高騰の原因とみられる。
回転寿司チェーン、全国に4,000店以上
ダイワ通信のセキュリティ事業は防犯カメラや監視カメラの販売を含んでいる。
回転寿司チェーンの店舗数は全国で4,000店を超えるとされ、問題動画対策でカメラを導入する店が増えれば、ダイワ通信の業績は伸びる可能性がある。しかも、単なる監視カメラではなく、客の動きを自動検知するような高性能カメラなら、売り上げはさらに膨らむかも知れない。
ダイワ通信は2022年12月26日に上場した。しかし、大手携帯キャリアがネット契約に重心を移し始め、店舗網を縮小している環境で「祖業が携帯電話代理店」ということが嫌気されたのか、株価は年が明けても下落傾向が続いた。
ところが、ダイワ通信の2022年3月期の業績を見ると、連結売上高47億円のうち、モバイル事業の売上高は20億円に過ぎない。一方のセキュリティ事業が26億円で、既に祖業を上回っている。
今回の騒動がダイワ通信の「業績」にどれだけの影響を与えるかは分からない。ただ、これを機に同社の事業構成に注目が集まれば、株価は上方に水準訂正があってもおかしくない、と筆者は眺めている。