携帯電話の代理店、セキュリティ事業を手掛けるダイワ通信(金沢市入江2丁目)は2022年12月26日、東京証券取引所スタンダード市場に新規上場する。
北陸3県に本拠地を置く企業では、jig.jp(鯖江市)が同22日にグロース市場へ上場するので、珍しく立て続けになる。
最大80万株超を売り出し
ダイワ通信は22年11月21日に開いた取締役会で、上場に合わせて70万8,600株を売り出すことに決めた。
さらに、需要動向に応じ、最大で10万6,200株を追加で売り出すことも決定した。
モバイル事業×セキュリティ事業、売り上げ47億円
上場に向けた有価証券報告書によると、ダイワ通信の2022年3月期の連結売上高は47億9,075万円、純利益は3億9,447万円だった。
祖業であるモバイル事業では現在、ソフトバンクの代理店を経営しており、22年3月期の売上高は20億円。一方、防犯カメラや監視カメラを含むセキュリティ事業の売上高は26億円で、既にモバイル事業を上回っている。
特にセキュリティ事業は3大都市圏の東名阪に加え、福岡や札幌といった全国の主要都市にも営業拠点を置いており、今後の成長分野とみているようだ。
自己資本比率は65.3%。
創業は1996年
ダイワ通信は1996年4月、現在も代表取締役社長を務める岩本秀成氏(56)が金沢市内で「ムーブ北陸」として創業したことに端を発する。上記の通り、もともと携帯電話の代理店だった。
その後、社名をダイワ通信に変更した。
2013年にはシーピーユーとセキュリティ事業に関する業務を提携し、翌14年にセキュリティ事業を取得した。
2016年3月に会社を分割。旧ダイワ通信を資産管理会社の「IWAMOTOアセットマネジメント」に改称し、新たに現在も残る「ダイワ通信」を設立した。
石川県内の企業の上場は、2022年6月のサンウェルズ(金沢市)以来となる。