【総力取材・総論】イオン御経塚SC跡地「アークスクエア」、23年6月28日オープンの前日に潜入した!

【総力取材・総論】イオン御経塚SC跡地「アークスクエア」、23年6月28日オープンの前日に潜入した!

2023年6月27日

野々市市御経塚2丁目に整備された複合商業施設「アークスクエア御経塚」が、いよいよ2023年6月28日に開業する。「イオン御経塚ショッピングセンター」の閉店から2年。御経塚交差点の「顔」が生まれ変わるのを前に、一足早くお邪魔してきた。

記事は総論・各論の2本に分けて順次アップします。

【総力取材・各論】は以下のリンクから

【総力取材・各論】御経塚「アークスクエア」、ムサシは「徹底して体験重視&プロ歓迎」、ヤマダは「家具も雑貨も何でも任せて」

野々市市御経塚2丁目で2023年6月28日にオープンする商業施設「アークスクエア…
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3社すみ分けで築く住まいのテーマパーク

まず、前提として、この商業施設は「ホームセンタームサシ」を展開するアークランズ(新潟県三条市)、「ヤマダTecc LIFE SELECT」を展開するヤマダホールディングス(群馬県高崎市)、「イオンスタイル」を展開するイオンリテール(千葉市)の共同事業となる。

売場は ムサシ5:ヤマダ4:イオン1

敷地面積は45,600 ㎡で、総売場面積は31,100 ㎡。アークランズIR広報室によると、売場の面積は「ムサシ5:ヤマダ4:イオン1」となっている。面白いのは、土地はアークランズが所有しているのに、建物は売り場面積に応じて3社が区分所有している。

これの何が良いかと言うと、それぞれがテナントではないので、おのおのが好きなように店づくりを進められるメリットがあるらしい。

でも、当サイトでもこれまで何度か書いたように、ムサシやヤマダ、イオンは、重複する取り扱い商品があるはず。互いに客を取り合うことにならないだろうか。

取り扱い商品を相互に調整、補い合う

この点、アークランズ、ヤマダホールディングス、イオンリテールがコラボした商業施設は、2022年に愛知県、東京都でオープンした施設に続き、御経塚が全国3例目となる。

事例を積み重ねることで、コラボの在り方が確立していった。今回で言えば

●ヤマダで本格的な家具・家電を扱うので、ムサシは家具・家電を控えめにする

●逆に、ムサシが得意な調理器具などを強化し、ヤマダは調理器具を控えめにする

●イオンが得意な米や飲料といった食品について、ムサシ側が陳列せず、スペースを他の品目に充てる

といったところに工夫が現れている。

いずれも衣食住といった日常生活に関係する3社が、それぞれの互いに長所を生かし、短所を補う形で、1つの商業施設をつくり上げており、館内を歩いていると、さながら「住まいのテーマパーク」という印象を受けた。

※ちなみに、アークスクエアにはこのメインの商業施設に加え、4月に先行オープンした住宅総合展示場もある。住宅展示場を併設しているのは3社コラボの文脈では初めてらしい。

買い回りに配慮した店舗配置

さて、ちょっとマニアックな話だが、面白かったのは、店舗の配置。

建物は上から見ると、南と東に伸びたL字をしており、1階で言えば、イメージ的にはヤマダが中央にあり、南にムサシ、東(国道8号側)にイオンがある。

詳細は【総力取材・各論】で説明するが、ムサシは資材関係の「プロ向け」コーナーを建物の南端に配置し、ヤマダやイオンに近い側にはプラスチック収納や日用雑貨、文房具など、日々の生活で重宝しそうな商品を並べ、買い回りの利便性に配慮したらしい。

「広域集客」と「高頻度来店」を両立

なぜ、そんな工夫をしたのか。その答えは、この商業施設全体の狙いに関わる。

つまり、大型のホームセンターや家電量販店は広域集客できるのだが、来店頻度は低い。一方、食品スーパー特化型のイオンは来店頻度こそ高いが、商圏は近所に限られる。

3社が互いに補い合うのは商品ラインナップだけではなく、店の性格から来る客層の縛りを超え、相乗効果を生む狙いがある。だからこそ、館内の配置も、3店がバラバラに存在するのではなく、ある程度は一体的に運用されるように考えられたようだ。

また、3社共同で事業を進めることで、開発にかかる初期費用を抑える目的もあるらしい。アークランズによると、同社の負担は通常想定されるより4割ほど安く済んだらしい。

ヤマダ新業態店は30日にオープン

さて、アークスクエア御経塚では、多くの店が6月28日にオープンするが、ヤマダホールディングスの新業態店「ヤマダTecc LIFE SELECT」は、2日遅い6月30日に開店することになる。

オープン店 名
2023年6月28日ホームセンタームサシ、イオンスタイル、NICO PET、アークホーム、チェントペルチェント
2023年6月30日ヤマダTecc LIFE SELECT

デザイン変更の看板も、無事に完成

オープン直前にデザインが変更となった看板も、無事、きれいに仕上がっていた。

下の写真の通り、施設南側にあるメインの看板は「ムサシ×ヤマダ」だったものが、フロア配置に合わせてムサシのみとなり、むしろスッキリした印象だ。

※7月1日追記 地元紙ではムサシ・ヤマダ・イオンのみが「アークスクエア」であるかのように報じてますが、アークランドに確認したら、隣接地で先行オープンした住宅総合展示場も含めて「アークスクエア」です。新聞社は自社で他の住宅展示場をやっており「ライバルだから」と狭い了見で無視しているのでしょう。

【総力取材・各論】では、ムサシとヤマダの店舗の魅力を詳しく紹介する。

【総力取材・各論】御経塚「アークスクエア」、ムサシは「徹底して体験重視&プロ歓迎」、ヤマダは「家具も雑貨も何でも任せて」

野々市市御経塚2丁目で2023年6月28日にオープンする商業施設「アークスクエア…
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まとめページは以下のリンクから

【まとめ】イオン御経塚SC跡地、アークランズが複合商業施設「アークオアシス」を開発/23年6月オープン/牛角、かっぱ寿司も

ホームセンター「ムサシ」を展開するアークランズ(旧アークランドサカモト)は、野々…
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国分 紀芳

国分 紀芳

1985年生まれ。石川県出身。慶應義塾大学商学部を卒業後、地元新聞社に入社。キャリアの大半を経済記者として過ごす。2022年2月に独立・起業した。

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