野々市市御経塚2丁目で2023年6月28日にオープンする商業施設「アークスクエア御経塚」に、開業前日に入ることができたので、内部を紹介する。
見出しで言わんとしていることは分かると思うが、たくさんの写真を中心に記事を書いていく。
※【総力取材・総論】は以下のリンクから
オープン | 店 名 |
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2023年6月28日 | ホームセンタームサシ、イオンスタイル、NICO PET、アークホーム、チェントペルチェント |
2023年6月30日 | ヤマダTecc LIFE SELECT |
目次
10万点の品ぞろえ、入ってすぐ驚き
まず、10万アイテムをそろえるという「ホームセンタームサシ」から。
普通、ホームセンターって、正面中央のエントランスから入ると、飲料とか今の時期なら蚊取り線香とかプール用品とか、季節商品が置かれているはず。
しかし、このムサシは違う。
いきなりの芝刈り機。
この店が一般的なホームセンターと明らかに違うのは、こうした芝刈り機や耕運機といった大型機械をはじめ、釘やネジ、木材、電動工具など、DIYやプロ向けの商品が充実しまくっている点にある。
こういう売場って、普通は店の端っこに寄せられていることが多いだろう。御経塚のムサシは1、2階に売り場があるのだが、こうした資材や工具の売り場は、なんと1階のおよそ半分を占めている。
この狙いについて、ムサシを展開するアークランズのIR広報室は「工事業者が多いエリアで、その需要に応えたい。さらに、近くの自社店舗との違いも出すため、こうした売り場構成にした」と説明した。
「近くの自社店舗」というのは金沢市高柳町の「金沢店」、野々市市新庄6丁目の「金沢南店」のこと。金沢店は文具や工作材料が充実した「アークオアシス」があり、金沢南店は園芸用品が充実している。
御経塚は、その両方が控えめになり、代わりに資材や工具が充実しているというわけだ。
そびえ立つ什器、工具、釘、資材の山
その資材や工具の売り場は、通常のホームセンターと比べ、圧倒的にアイテム数が違う。言葉を尽くすより、写真で見ていただいた方が早いだろう。
電動工具なんて、筆者のような素人からしたら、ほとんど違いが分からないような商品が無数に並んでいる。アークランズによると、同社の店舗でも御経塚の店で初めて扱う商品があるほど豊富なラインナップになっているらしい。
特に面白いのが電動工具を陳列する什器の高さ。ホームセンターのこうした売り場では店内を見渡しやすいよう、1.5mぐらいの什器が使われるそうだが、御経塚では2.1mの什器を採用。目線の上まで工具が並ぶ迫力の光景になっている。
大型機械のメンテナンスに迅速に対応するため、HONDAの認定を受けたスタッフが常駐するカウンターも設置した。
ちなみに、当サイトのメイン読者の皆さまに耳より情報。25㎏入りセメントを48袋セットでまとめ買いしたい、みたいなよくあるニーズにも対応してくれる商品構成となっている。
とことん「体験」
そんなムサシの大きな特徴は「体験」に重きを置いていること。
耕運機の動きを試したり、珪藻土を塗った際の感触を試したりできる。
それだけでも驚きだが、筆者が最も感心した陳列がある。次の写真を見ていただきたい。
歯ブラシの持ち心地、トイレットペーパーやティッシュペーパーの触り心地が比較できる!
これ、店側は管理の手間がかかって大変だと思うが、買い物客目線で言うと、とても楽しい。
歯ブラシは必ず固いケース入りで売られるし、ペーパーも箱や袋に入って売られている。特にペーパーは1セットにいくつも入っているので、今のを使っているうちに以前に使っていたものの感触を忘れるので、比較しにくい。
「体験」の徹底ぶり、すばらしい。
他の1階の写真は以下の感じ。面白いのは除雪機や脚立のレンタルがある点、作業服のトップブランド「寅壱」とともに作り込んだ売り場、アークランズの地元・燕三条のコーナーか。
ホームセンターで売れないキャンプ用品がある
ようやく2階。1階がプロと日用品を買う人向けなのに対し、2階は家族が買い回ったり、ゆっくりペットのケア用品を選んだりする人のためのフロアだ。
具体的にはキャンプ、自転車の売り場、ペットコーナー、リフォーム相談コーナー、レストランからなる。
まず、キャンプは2,500アイテムを扱っており、ポイントは「通常ならホームセンターで扱えない商品も、売り場をしっかりと作り込み、安売りしないことを条件に、販売できる」(アークランズ)という点だ。
残念ながら筆者はキャンプの知識がなく、価値は分からないが、例えば「コールマン」でも、ハイグレードな商品があったり、そもそもホームセンターではお目にかかれないブランドのものがあったりするらしい。
ペットの食品は10,000アイテムも
さて、ペットコーナーは単に販売するだけでなく、サロンやホテル、病院も完備している。そして、販売する商品は15,000アイテムを超え、内訳は5,000アイテムぐらいが服やオモチャなど、10,000アイテムが食品だという。
筆者は自分でペットを飼ったことはない。こんなに食品が多いとは知らなかった。
アークランズの方に案内されながら「これ、美味しそうなパッケージですね」と手にとったオーガニック商品は5,000円オーバー。
いやいや、筆者の家族は同じぐらいの分量で1,000円ちょっとの「フルグラ」を喜んで食べてるんだが……。
ムサシの紹介はここまで。
300万円のソファー売るヤマダ電機
さて、ようやくヤマダホールディングスの新業態店で、北陸初出店となる「ヤマダTecc LIFE SELECT」(2023年6月30日オープン)の紹介に移る。
新業態は家電だけではなく、家具や生活雑貨を含め、生活に必要なものを総合的に提案する店。御経塚の場合、ムサシやイオンとの重複を避け、施設として総合力を高めるため商品ラインナップを一部いじっているが、基本はこうしたコンセプトに沿う。
御経塚の1階は、通常の家電量販店に近い。入り口にスマートフォン売り場があり、奥にテレビや美容家電。通常と違う点は、例えばテレビの前に置いてあるソファーや座椅子、テーブルなんかも売り物、というところだろうか。
真価は2階に
この店の真骨頂は2階にある。2階売り場の半分ぐらいは、下の写真の通り、家具専門店顔負けの売り場展開となっている。300万円の超高級ソファーも置いてあるぐらいだ。
ECサイトの存在感が高まる中、家電だけを売っていても頭打ちになりかねない。そこで「住む」ということに関連し、住宅そのもの、家具、日曜雑貨などを売る新業態店を拡大しているようだ。
おもちゃコーナーに注目
ヤマダの店舗で感銘を受けたのが、おもちゃコーナー。
「こんな部屋、家にも作って」とか言われたら、どうするんだ…。そんな心配をするほど、とにかく楽しそうな展示だ。
知育玩具の展示コーナーは学校の教室みたいな作りで、スペースが広い。
1つの大きな机にたくさんの玩具が置かれ、子どもたちは真ん中を向いて遊ぶのが普通だろう。この点、御経塚のヤマダで子どもたちが同じ方向を見るように並べたのには理由がある。
ヤマダホールディングスの広報担当者によると、子どもたちの目線の先には、母親を中心に保護者に人気の生活雑貨売り場があり、保護者は我が子の様子をチラチラ確認しながら買い物できる。なるほど。
ちなみに、ちょうど筆者が取材にうかがった時、ヤマダホールディングスの会長が視察に来ていた。あれだけの会社のトップが、わざわざ群馬県から野々市市まで新店を見に来るんだなあ、と感心した。
イオン御経塚ショッピングセンター跡地に関する記事は、これが21本目。これまで、読者の方の情報提供のおかげもあり、どのマスコミよりも早く、たくさんの情報を発信できた。そして、この記事が当面の打ち止めになるかもしれない。
そんな思いを胸に13時から始めた取材を終えると、15時前だった。いつの間に。あれこれ下手な寸評を並べるよりも、その事実が全てを物語るだろう。ここで記事を締めくくり、今後の盛況を願いたいと思う。
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