ジェネリック大手の日医工(富山市)の株価は2022年11月16日、前日に続いてストップ安となった。14日に投資ファンド傘下で経営再建を図るべく非上場化する計画が発表されたため。
※再建計画については、以下のリンクから
上記の計画では、少数株主に対し、1株当たり36円を返金することが盛り込まれていた。この点、日医工株の14日終値は380円で、15日は値幅制限いっぱい、80円安い300円で引けた。そして16日は同じく80円安の220円で大引けを迎えた。
2日連続のストップ安になったので、17日は下値の制限値幅が4倍に拡大される。つまり、17日の日医工株は300~1円の間で取引されることになる。
36円より高めで取引される??
例の計画に基づけば、株を持っていても36円でしか買い取ってもらえないので、36円を超える株価は「割高」ということになる。そう考えると、17日は36円で下落が止まるはず。
ところが、そう単純にいかないのが株式市場の面白いところであり、難しいところでもある。
14日に公表された計画はADR手続きの成立が前提となっており、例えば債権者である金融機関が債権放棄に同意しなければ、ADR手続きは不成立となる。実際、過去には不成立となり、上場維持を目指した事例がある。
つまり、全ての金融機関が債権放棄に同意するとみれば、株価は36円が妥当という結論になる。一方、いずれかの金融機関が同意せず、ADR手続きが不成立になるとすれば「上場維持⇒株価の再上昇」という流れも有り得ないわけではない。
幸い、日医工株は空前絶後の安値になっている。ギャンブル的に後者の可能性に賭ける人もいるので、実際の株価は36円まで落ちない公算だ。実際、16日18時段階の時間外取引では100円前後で売買されている。マネーゲームがどう決着するか、筆者は外野から楽しみたい。