オリエンタルチエン工業がストップ高/何だ、この値動き!?/怪しい急騰、背景は?

小型チェーン製造のオリエンタルチエン工業(白山市)が2022年10月12日の株式市場で、前日終値から150円(15.37%)高い1,126円まで値上がりし、ストップ高で引けた。

しかし、この値動きはどうしたというのだろう?

Yahoo!ファイナンスより

過去1年間で見ると、ずっと700円前後をさまよっていたのに、前日終値比36円高い716円で引けた9月9日から出来高(取引された株式数のこと)が急増し、上昇を始める。

それでも800円前後でまた足踏みしていたのに、9月末から値動きが激しくなり、10月11日には72円高の976円で引けた。そして翌12日に1,126円である。

株価指標的には既に割高?

だいたい15倍を超えると割高とされるPER(株価収益率)は、もともと割安を示していたが、手元の楽天証券の端末では10月12日の終値時点で「19.51倍」となっている。

株価情報サイト「株探」でオリエンタルチエン工業のページを見ると、今期(2023年3月期)は新型コロナウイルス禍前の2019年3月期の業績と同等の水準まで回復する見込みとなっている。

しかし、その2019年3月期の決算が発表された19年5月の株価は800円前後だった。そういう意味でも現在の株価は過熱感があると言えそうだ。

四季報の業績予想は2024年3月期も増収増益を予想するが、その増加幅はわずか。大きく株価が上昇するような発表もない。どこかに買収されるようなウワサが出回っているのかと思ったが、調べる限りでは見つからなかった。

時価総額が小さく、仕手筋に狙われた?

そもそも、オリエンタルチエン工業というのは、地味というか、いかにも地方の堅実な製造業者の1社で、本来なら、ある日突然ストップ高になるような会社ではない(と筆者は思っている)。石川県内でも、その社名を知らない人は多いはず。

そうなると、仕手筋(大きな資金で株価を意図的に上げ下げし、利益を得る人たち)による仕業だろうか?時価総額が約16億円という小さな会社で株価を上げ下げさせやすいため、狙われた可能性もある。

しかし、確固たる理由がなく1週間に40%も値上がりするということは、特別な理由がなくても急に40%値下がりする可能性があるとも捉えられる。オリエンタルチエン工業という会社には何ら問題がなくても、株価はいったん売られ始めると落ちるのは速い。

知っている会社の株価が急騰するのを、指をくわえて見ているのは、何だか寂しいし、損をした気分にすらなる。だが、ここまで極端な値動きになっている銘柄に対し、筆者を含めて通常の個人投資家は「触らぬ神に祟りなし」のスタンスが正解だろう。

ちなみに、もしも車向けチェーンのメーカーを対象に仕手筋が活動しているなら、北陸で言えば時価総額80億円ほどの大同工業(加賀市)もあるが、こちらもある日突然、急騰するのだろうか?あわせてチェックしておきたい。

1件のコメント

  1. ピンバック:オリエンタルチエン工業は急落、7%安/さらに三光合成も9%安に - 投資のはじめかた

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