【保存版】まぎらわしい・間違えやすい会社名/由来や略称も一部紹介(随時アップデート)

【保存版】まぎらわしい・間違えやすい会社名/由来や略称も一部紹介(随時アップデート)

先日、マヨネーズやドレッシングを作る「キユーピー」を誤って「キューピー」と書いてしまい、Twitterでフォロワーの方から指摘いただいた。この機に、有名な割に間違えやすい会社名をまとめてみる。

中には会社公認の通称を持つ例もあって「✕」と言い切れないものもあるが、ここでは便宜上、あくまで正式な社名でないものを「間違い」として並べる。

あ行

✕ アークランドサカモト ⇒ ○ アークランズ

(ホームセンタームサシを経営するアークランドサカモトは、M&Aしたビバホームと合併した2022年9月、商号をアークランズに変更した)

✕ アメリカン・エクスプレス ⇒ ○ アメリカン・エキスプレス

✕ 石川島播磨重工業 ⇒ ○ IHI

(もともとの称号は石川島播磨重工業。2007年に従来の略称だったIHIを正式な社名に変更)

✕ いすず自動車 ⇒ ○ いすゞ自動車

(昭和9年に商工省標準形式自動車の量産を始める際、商標を伊勢神宮の「五十鈴川」にちなみ「いすゞ」と命名。昭和24年に商標と社名を統一)

✕ イトーヨーカドー ⇒ ○ イトーヨーカ堂

(「ドー」は店名、社名は「堂」を用いる)

✕ ウェザーニュース ⇒ ○ ウェザーニューズ

✕ NEC ⇒ ○ 日本電気

(下のNTTも含め、アルファベットの方が聞き慣れているけど…)

✕ NTT ⇒ ○ 日本電信電話

か行

✕ 鹿島 ⇒ ○ 鹿島建設

✕ キャノン ⇒ ○ キヤノン

(観音菩薩の慈悲にあやかって世界最高のカメラを創りたい、との願いを込めて最初の試作機を「カンノン」と根付けたことに由来。「ヤ」が「ャ」じゃないのは、表記上のバランスを整えるため)

✕ キューピー ⇒ ○ キユーピー

✕ キリンビール ⇒ ○ 麒麟麦酒

✕ コマツ ⇒ ○ 小松製作所

(上のNTT、NECあたりと同じで、通称も間違いとは言い切れない感じも)

さ行

✕ JR東日本 ⇒ ○ 東日本旅客鉄道

(JRはJapan Railwaysの頭文字)

✕ JCB ⇒ ○ ジェーシービー

(略称は旧社名「日本クレジットビューロー」の英語表記に由来)

✕ Jフロントリテイリング ⇒ ○ J.フロント リテイリング

(百貨店の大丸と松坂屋を経営)

✕ シャチハタ ⇒ ○ シヤチハタ

(キヤノン、キユーピーと同じ感じですね)

✕ ジャパンディスプレー ⇒ ○ ジャパンディスプレイ

(略称はJDI)

✕ 全日空ホールディングス ⇒ ○ ANAホールディングス

た行

✕ 太平洋金属 ⇒ ○ 大平洋金属

✕ 大和総合研究所 ⇒ ○ 大和総研

(略称っぽいのが正式な社名というややこしさ)

✕ 東京メトロ ⇒ ○ 東京地下鉄

✕ 東洋シャッター ⇒ ○ 東洋シヤッター

✕ ドンキホーテ ⇒ ○ ドン・キホーテ

な行

✕ ニッカウイスキー ⇒ ○ ニッカウヰスキー

✕ 日本IBM ⇒ ○ 日本アイ・ビー・エム

✕ 日本ガイシ ⇒ ○ 日本碍子

(ホームページ上は「日本ガイシ」を「表記社名」、「日本碍子」を「商号」として紹介している)

✕ 日本コロンビア ⇒ ○ 日本コロムビア

✕ 日本トイザラス ⇒ ○ 日本トイザらス

(米国の子どもがRを逆に書くことが多く、そんな子ども心を忘れないように、と英語のロゴマーク「ToysRUs」のRのみ反転させている。日本でも、このニュアンスを表現するため「ら」だけ平仮名に)

✕ 日本電産 ⇒ ○ ニデック

(2023年4月に社名を変更。英語表記「Nidec」はNi=日本、De=電産、c=株式会社、の略)

✕ 野村証券 ⇒ ○ 野村證券

は行

✕ 富士フィルム ⇒ ○ 富士フイルム

✕ ブリジストン ⇒ ○ ブリヂストン

(社名は創業者の名字「石橋」に由来。語順は石製の橋を築く際に大切となる要石「キーストーン」を意識しているという)

✕ ブルドッグソース ⇒ ○ ブルドックソース

(犬種は「ブルドッグ」だけど、濁音が続く語感を創業者が嫌ったために「ク」にした)

✕ ホンダ ⇒ ○ 本田技研工業

ま行

✕ ミズノ ⇒ ○ 美津濃

(創業者の名字は「水野」で、出身地が美濃(岐阜県)の船町だったため、船にゆかりの「港」を指す「津」を「美」と「濃」の間に入れて「美津濃」とした。また、水野家以外に優秀な社員が現れることを期待して「水野」としなかった)

✕ 三菱UFJフィナンシャルグループ ⇒ ○ 三菱UFJフィナンシャル・グループ

(中核のメガバンクは2018年に「三菱東京UFJ銀行」から「三菱UFJ銀行」に変更)

その他=北陸あれこれ

北陸で長く経済記者をしていた筆者が会社名に関して「ややこしいなあ」と思ったあれこれを紹介する。

「北電工」って、どれよ?

勘違いの多い略称が「北電工」。筆者の地元新聞社時代の上司も、思いっきり誤っていた。北電工と略されそうな北陸の会社は主なところだけで「北陸電気工事」「北陸電気工業」「北陸電話工事」の3社もあるからだ。

このうち「北電工」は基本的に北陸電気工業のことを指す。北陸電気工事はモスグリーン色の作業車の側面を見て分かる通り「北陸電工」と略される。北陸電話工事はあまり略称を聞いたことがないが「電話工事」あたりだろうか。

もっとも、北陸電気工業は、例えば東証の開示情報で「北電工業」とも表記されている。

「コメリ」って、どう発音するの?

北陸に多いホームセンター「コメリ」。筆者の周囲は「コ」にアクセントを置いて読む人が多いところ、テレビCMでは3文字のいずれにもアクセントを置かず発音している。

そこで、数年前、新潟にある本社の広報に電話して尋ねたことがある。そしたら「どっちでも良いです(笑)むしろ社員間でも混ざっています(笑)と言うか、そこまで関心を持っていただいて嬉しいです(笑)」とのことだった。

「ほくぎん」って、どこのこと?

北陸で「ほくでん」は北陸電力を、「きんだい」は金沢大学を指す。しかし、全国的にはそれぞれ北海道電力と近畿大学を指すのが一般的のようだ。さらに狭い範囲で面白いのは「ほくぎん」である。

筆者が富山市内で勤務していた時、北日本新聞の記者が「ほくぎんの決算会見、行く?」と語り掛けてきた。石川県生まれの筆者にとって「ほくぎん」は北國銀行だが、富山県出身者にとっては北陸銀行だ。

さらに事態をややこしくしているのは、北陸銀行のルーツの一部が石川県にあり、逆に最近の北國銀行は富山県内で存在感を増している構図。「ほくぎんとほくぎんが組み合って争う」状況になっている。

「ほくてつ」と「きたてつ」

石川県内で電車やバスを走らせる「北陸鉄道」の略称は、世代によって異なる。

30代の筆者を含め、比較的若い世代は「ほくてつ」と呼ぶが、一定の年齢より上の層は「きたてつ」と呼ぶ人が多い。筆者は30年来、この違いがどういった事情から来るのか疑問に思ってきた。ちなみに、現在の北陸鉄道は「ほくてつ」を採用している。

Twitterで広く呼び掛けると、以下のように納得できる回答をくださった方がいた。

「ゲンキー」「クスリのアオキ」は未上場

これは地元新聞もよく混同しているのだが、法人として実在している「ゲンキー」や「クスリのアオキ」、「北陸銀行」、「インテック」などは上場していない。

上場しているのはその親会社で、それぞれGenkey DrugStores、クスリのアオキホールディングス、ほくほくフィナンシャルグループ、TISという会社だ。

新聞社在籍時、同僚が上場企業の決算をまとめた記事を書き、それを筆者がゲラ(見本)で見たところ、この誤りを何カ所も見つけた。

だから、それを指摘したのだが、上司は「ま、いいんじゃない?一緒やろ」と一刀両断。「この人は自分と父親を混同されても、違和感を持たないのだろうか」と呆れて口をつぐんだ。


会社名には創業時からのさまざまな思いが盛り込まれる。

時代の移り変わりや事業の成長とともに会社名を更新することもあれば、逆に会社名は頑なに守り通し、ブランド名や通称で新しさを出そうとする例もある。会社名を間違えるのはもちろん、間違いを分かっていながら直さないのも極めて非礼な話であり、気を付けたい。

国分 紀芳

国分 紀芳

1985年生まれ。石川県出身。慶應義塾大学商学部を卒業後、北國新聞社に入社。キャリアの大半を経済記者として過ごす。2022年2月に独立・起業した。

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