あのドクターグリップが30周年で記念モデル発売!30代は文具店へ急げ!!

あのドクターグリップが30周年で記念モデル発売!30代は文具店へ急げ!!

2021年11月16日

パイロットコーポレーションは、同社のシャープペンシル「ドクターグリップ」の30周年記念モデルを発売した。先に言うと、発売日は2021年11月10日。数量限定で、色によっては既に各店で品切れとなっているので、気になる人は急いで文具店へ!

さて、ドクターグリップは1991年11月に発売されたロングセラー商品。同社のプレスリリースから、その特徴を引用・抜粋しよう。

“筆記時の疲れを軽減するペン”として支持されているロングセラー商品です。人間工学に基づき、握りやすさを追求した太い軸径と弾力性のあるラバーグリップが特長で、筆記時に肩や腕にかかる筋肉の負担を軽減します。まだパソコンが普及していない当時、事務作業による手書きの疲れを軽減するため、医師の協力のもと開発されたことから、「ドクターグリップ」と名付けられました。

10月20日付プレスリリース
今回の購入品は4本

30周年記念モデルは初代モデルをベースに、発売当初の復刻カラーや1999年前後に流行したスケルトンカラー、新色のネオンカラーなど、6つのシリーズで構成される30色からなる。

独特の握りやすい太軸、弾力のあるグリップで、プレスリリースで自ら胸を張る通り、筆記時に疲れにくい構造となっている。

芯の繰り出しにはノック式に加え、ペン本体をカチャカチャ振ると芯が出てくる「フレフレ機構」が付いている。

新色の「プレミアムカラーシリーズ」4色は税込み880円、その他の26色は同550円。

憧れの存在

筆者は現在、30代半ば。ちょうど、中学校に上がったぐらいに、ドクターグリップの知名度が上がり、カラーバリエーションが増えた頃。まさにスケルトンカラーが流行った時期だ。

当時、定価は300円、500円ぐらいだったと記憶している。特に裕福なわけでもない一般家庭の子どもからすると「高級シャーペン」であり、憧れの存在だった。ドクターグリップを2本も3本も筆箱に入れている同級生は、ものすごいセレブに見えた。

だから、筆者自身は「ドクターグリップと一緒に受験戦争を乗り切った」といった記憶はない。

 

大人になって見ると、何だかズングリとしたシルエットは、いかにも中高生的に映る。大人の男はグラフ1000フォープロやステッドラー925など、スマートなデザインのペンをサラッと使いこなすのだ。

ところが先日、文具店に立ち寄ると、現行モデルではクリップ型になってしまったペンの上部が、写真のように昔ながらの丸い穴の開いた形状になった、30周年記念モデルが目に入った。

な、懐かしい…。

昔、片思いしていた異性と同窓会で再開していた時のような感覚。

当時、なかなか親に「買って」と言い出せなかったペンが、今なら手を伸ばせば届くところにある。きっと、大人になってラジコンやプラモデルにハマる人は、こういう感じなんだろう。

大人にとっての500円シャーペンの意味

上の2本が息子と娘、下の2本が筆者と妻のセレクト

今回の30色は中高生当時に見覚えのある色に加え、ちょっとキツめのネオンカラーや淡いクリスタルの商品もある。

 

きっと同じく30代の妻も懐かしがると思い、幼稚園児の息子、娘と共に近所のイオンモールに行くと、息子が真っ先に青のネオンカラーを欲しいと言い出した。

すると、娘は新色の透明な淡いピンクを選んだ。そして妻は透明な赤。筆者は透明な青だ。

子ども2人が新色、親2人が復刻色を選んだのは偶然ではないだろう。まさか文具売り場で世代間ギャップを感じる日が来るとは思わなかった。

 

500円のシャーペンも、4本なら2000円する。大人でも、ちょっと考える値段だ。

でも、子どもたちが「高級シャーペン」の意味を理解できるには、もっともっと成長と時間が必要だろう。 

もっとも、今は見慣れない色のドクターグリップを握り、張り切って字や絵の練習をする子どもたちの姿を喜びたい。それだけで、親になった自分にとって、あの頃とは違う「500円シャーペン」の価値があると感じた。

国分 紀芳

国分 紀芳

1985年生まれ。石川県出身。慶應義塾大学商学部を卒業後、北國新聞社に入社。キャリアの大半を経済記者として過ごす。2022年2月に独立・起業した。

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