断続的な地震に見舞われる奥能登。2023年5月には、珠洲市で震度6強の大きな揺れを観測した。
その珠洲で明治期に創業した「宝湯」は、地震によって壁やタイルの一部が崩落する被害を受けており、このほど、復興に向けたクラウドファンディングプロジェクトが始動した。
COREZOのサイトで公開
北國フィナンシャルホールディングスのグループのCOREZOが運営するクラウドファンディングサイト「COREZO FAMILY FUNDING」でプロジェクトが公開された。プロジェクトの詳細はコチラ。
宝湯は明治時代中期から銭湯として利用されており、125年の歴史を持っている。6年前には第1回の「奥能登国際芸術祭2017」で、写真家の石川直樹氏の作品展示会場として使われ、多くの人が足を運んだ。
しかし、2023年5月の大地震では、幸いにも人的被害がなかったものの、2階の壁は5カ所が崩れた。宝湯別館の小さな浴室も、タイルが落ちる被害を受けた。クラウドファンディングで調達した資金は、地震で破損した箇所の修繕に充てるらしい。
今も重要な生活インフラ
宝湯があるのは珠洲市宝立町鵜飼という海沿いの街だ。筆者は鵜飼の個別事情に明るくないが、同じ奥能登の港町にゆかりがある。
その経験から言うと、奥能登の古い港町は波が穏やかな入江のような狭い地形に多くの人が住むため、細長い土地に長屋のような格好で家が密集しているエリアがある。そんな事情から、現代でも浴室を備えていない家があり、銭湯は生活インフラとなっている。
そういう意味を鑑みると、宝湯のプロジェクトにも社会的な意味が見出せそうだ。プロジェクト期間は2023年10月16日~2024年1月31日。目標金額は40万円という。