全国で「イオンシネマ」を展開するイオンエンターテイメント(東京)は2023年7月、砺波市のイオンモールとなみ1階にシネマコンプレックス「イオンシネマとなみ」を開業する。
5スクリーンで、座席数は計414席となる。
イオンエンターテイメントによると、立体音響技術「ドルビーアトモス」を国内で初めて全スクリーンに導入した「Dolby Atmos MULTIPLEX(ドルビーアトモス・マルチプレックス)」、富山県内初の全スクリーンレーザープロジェクターなど、最先端のシステムを備える。
座席は電動リクライニング付きの「ハイグレードシート」、寝そべりながら鑑賞できる「コンフォートシート」、両肘のある上質生地の「通常席」の3タイプを用意する。
「狭い広場」???「小さな豪邸」???
ところで、この「イオンシネマとなみ」の立ち位置は、新業態の「コンパクト型シネマコンプレックス」となるらしい。
ここでは「劇場運営の一部を自動化することにより、業務オペレーションの効率化とお客さま満足度の向上を同時に実現する、当社初のDXの取り組みを開始」するそうだが、そもそも筆者として「コンパクト型シネコン」という言葉に違和感がある。
シネマ用プロジェクターを製造するウシオ電機(東京)のホームページによると、そもそもシネコンとは「6~18程度のスクリーンを持つ映画館のこと」という。この定義に当てはめると、イオンシネマとなみは「シネコン」はない。
ただ、5スクリーン以下でもシネコンと呼ぶこともあるようだ。違和感の源は「コンパクト」と「シネコン」という、ほぼ逆ベクトルな言葉の組み合わせだろう。コンパクトなシネコンは「狭い広場」「小さな豪邸」みたいに「間違いではないが、何か変」というラインの言葉だと思う。
イオンモールとなみ開業から丸8年
筆者は2015年夏、三井アウトレットパーク北陸小矢部やコストコ射水倉庫店と同時期にオープンした「イオンモールとなみ」を精力的に取材した記憶がある。もともと隣接する高岡市にあったイオンモール高岡と比べ、狭い商圏で日常使いを意識したモールだった。
映画館ができるのは、ちょうどイオンモールとなみ開業から8年となる節目の時。コロナ禍に訪れると空きテナントが目立ち、寂しい印象を受けたが、映画館の導入で何がどう変わるのか、あるいは何も変わらないのか注目したい。