【続報①】スギ薬局、北陸で初の退店を実施/金沢・近江町店の営業終了【独自】近く黒部へ進出

【続報①】スギ薬局、北陸で初の退店を実施/金沢・近江町店の営業終了【独自】近く黒部へ進出

2022年11月30日

スギホールディングス(HD、愛知県大府市)は2022年11月30日、金沢市下近江町の「スギ薬局 近江町店」の営業を終了した。

同社は北陸3県に進出した2017年2月以降、そこかしこで出店攻勢を仕掛けてきた。一方で北陸の店舗を閉めるのは、この近江町店が初めてとなった。

営業最終日のスギ薬局近江町店

近江町店は2021年1月7日にオープンした。開店から2年弱という短期間での撤退には、幾つかの要因があったと察する。

例えば、長引くコロナ禍でインバウンド(訪日外国人旅行者)が伸び悩んでいる。かつて(今も?)「市民の台所」と呼ばれた近江町市場は地元住民が集まる場所ではなくなってきており、いろいろと当てが外れたのではないだろうか。

もっとも、近江町店を閉めるからといって、出店を止めるわけではない。スギHDは北陸で54店(2022年2月末時点)の店舗数を、2024年2月に100店まで増やす目標を今も掲げている。

この件に関する初報は以下のリンクから

【独自】スギ薬局、北陸進出から5年半で初めての退店/金沢・近江町店を22年11月末に閉店へ

スギホールディングス(HD、愛知県大府市)は2022年11月30日、金沢市下近江…
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後継店を勝手に予想してみた

さて、3階建てのスギ薬局跡は今後どうなるか。勝手に展開を予想する。

まず考えたのは「セブン‐イレブン」。武蔵交差点の斜め向かいに店舗があったが、既に閉店した。周辺には近江町市場の並びにファミリーマート、金沢エムザの並びにローソンがあり、対抗関係からセブン‐イレブンが再進出しても驚かない。

次に、近江町いちば館地下の「マツモトキヨシ」の移転。ドラッグストアの後にドラッグストアなら、大掛かりな改修は不要だろう。

最後に、金沢エムザ地下の「ブック宮丸」の移転を挙げたい。外野から見る限り、2022年8月にエムザが大規模な「TSUTAYA BOOKSTORE」を始めたのは、地下で長く書店をやってきたブック宮丸への「裏切り」と感じた(本人たちの詳しい事情は不明)。筆者がブック宮丸側なら、これを機に地上へ出て3階建ての書店をやりたいが、どうだろうか。

黒部中央店は市役所近く

スギホールディングスは新たに黒部市に進出し、市役所の近くに「黒部中央店」を設ける。オープン時期は現在のところ明らかになっていない。

立地は新牧野(東)交差点の南東側で、住所は黒部市新牧野353番地。

スギホールディングスは2022年11月末時点で、富山県内に16店を展開。東端は魚津市の店舗となっている。

それにしても、店名が「黒部中央店」というのは思わせぶりである。黒部中央店があるなら「黒部北店」や「黒部南店」があってもおかしくない。「これから黒部でどんどん店を作るかぞ!」と住民にアピールし、同業者を牽制する含意を感じるのは深読みが過ぎるだろうか。

国分 紀芳

国分 紀芳

1985年生まれ。石川県出身。慶應義塾大学商学部を卒業後、北國新聞社に入社。キャリアの大半を経済記者として過ごす。2022年2月に独立・起業した。

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