ツエーゲン金沢の新本拠地、愛称は「金沢ゴーゴーカレースタジアム」に/その命名権料は……

ツエーゲン金沢の新本拠地、愛称は「金沢ゴーゴーカレースタジアム」に/その命名権料は……

2023年8月18日

金沢市が新たに供用し、J2・ツエーゲン金沢の新たな本拠地となる「金沢スタジアム」のネーミングライツ(命名権)​​優先交渉者として、ゴーゴーカレーグループ(金沢市)が選ばれた。これを受け、同グループは愛称を「金沢ゴーゴーカレースタジアム」にすると発表した。

命名権料はカレー4.5万杯分!?

契約期間は併用開始から5年間、命名権料は年間3,111万円という。カレー1杯が1,000円とすると、だいたい3万杯分。原価率が3割と仮定すると、粗利で4万5,000杯分か…けっこう高額だな。

【追記】ネーミングライツのパートナーは当初、期間3年以上、年間1,200万円以上という条件で募集されていた。そう考えると、随分と上振れしたようだ。

それにしても、ゴーゴーカレーって、店名に「〇〇スタジアム」って付く店が結構あるから、個人的には「金沢ゴーゴーカレースタジアム」って聞くと、サッカー場全体の愛称というより、サッカー場内にあるテナントのカレー店の名前に聞こえなくもない。

むしろ、もしもゴーゴーカレーがこれを縁にサッカー場内に新店を出すなら「ゴーゴーカレー金沢ゴーゴーカレースタジアムスタジアム」になるのかも。楽しみ。

さて、金沢スタジアムは金沢市磯部町の金沢城北市民運動公園内において、旧金沢市民サッカー場を再整備してできる施設。地上4階建て、延べ床面積は1万9,000㎡で、収容人数は約1万人となる。

北陸初のJリーグ規格を満たすフットボール専用スタジアムで、来シーズンからJ2・ツエーゲン金沢の本拠地となる。2023年9月末に完成、2024年2月ごろの併用開始を目指している。​​

金沢市は2023年6月から、金沢スタジアムの運営管理に必要な財源の確保、ホームタウンチームの支援や応援機運を高めるために「ネーミングライツパートナー企業」を募集していた。これから最終的な協議と契約締結に向けて手続きを進める。

ゴーゴーは2003年創業

ゴーゴーカレーは2003年、金沢市出身の宮森宏和氏(現・会長)が創業した。東京に本社を置いていたが、創業20周年の節目に当たり、2023年1月に金沢に移転した。

金沢の老舗インドカレー店「ホットハウス」や金沢カレーの元祖「ターバンカレー」の事業を継承した十世紀がある。現在はグループ全体で国内外に約100店を展開している。

ゴーゴーカレーCEO兼社⻑の西畑誠氏は「金沢スタジアムのパートナーになることをうれしく思う。『金沢ゴーゴーカレースタジアム』で開催されるさまざまなイベントを通じ、金沢の魅力を世界へ発信するとともに、​​スポーツと文化の振興に寄与したい」とコメントした。

【追記】ネーミングライツのパートナー決定後、SNS上ではゴーゴーの姿勢を批判する論調が多く見られた。言い方はそれぞれだが「金にモノを言わせた後出しで、長くツエーゲンを支えたチャンカレを押し出す気か」という趣旨。

ただ、厳密にはチャンカレはツエーゲン、ゴーゴーは金沢市営のスタジアムのスポンサーなわけで。確かに実質的には重複する部分もあるし、ゴーゴーの方が目立ちそうだけど、公募に大金を投じて応募することは悪いことじゃない。その上で、市がゴーゴーを選んだだけ。

チャンカレが野々市の会社だから、とかは考えすぎだろう。こうなった以上、両社は共同でスタジアム、チーム、金沢カレーの発展に向けた「一挙3両得」みたいな方策を練る方向に進んでほしいが…。

国分 紀芳

国分 紀芳

1985年生まれ。石川県出身。慶應義塾大学商学部を卒業後、北國新聞社に入社。キャリアの大半を経済記者として過ごす。2022年2月に独立・起業した。

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