米国発祥の総合スーパー「コストコ」が北陸にできて、はや7年。オープン当時に店舗を取材したのが昨日のことのようだ。とは言え、今や飽きたり退会したりする人も出ているだろう。そんな中、今さら満を持して入会した。
その過程で、コストコでは避けて通れない年会費で絶対に元が取れて損をしない方法が分かったので紹介する。
まず、コストコのメンバーは大きく分けて3種類ある。それぞれの年会費は以下の通り。
- ビジネス会員(経営者や個人事業主など) 4,235円
- ゴールドスター会員(個人のこと) 4,840円
- エグゼクティブ会員(誰でも入れる上位グレード) 9,900円
ビジネスとゴールドスター(以下「通常会員」と呼ぶ)は各々の属性に従うので選択の余地がない。問題はビジネス/ゴールドスターにするか、約5,000円高いエグゼクティブにするか。
ここで、エグゼクティブには、通常会員にはない特典がある。それは買い物金額の2%分に相当するリワード(還元)を受け取れるということだ。
例えば、月間1万円の買い物をする人なら、年間12万円の2%の2,400円の還元、毎月2万円買う人は4,800円の還元となる。ただ、残念なことに、還元は上限が年間10万円。月間41万6,700円(年間500万400円)よりも多く買う人は還元の上限に引っ掛かるので注意が必要となる(さすがに日本に数人しかいないだろうが)。
さて、この還元システムでは、月間2万円使えば通常会員とエグゼクティブの年会費の差額を補えることになる。1つ1つの商品が大きなコストコで「月2万円」というのは1、2回の買い物で達成するので、途方もない金額ではない。
ここで、数字やマネーに強い方は言いたいことが出てくるはず。そう、仮にエグゼクティブと通常会員の差額を埋められても、通常会員に相当する分を支払うのなら「毎年5,000円ほど要る以上、得するとは言えないだろ!」という批判が成り立ちそうだ。
ところが、そうではない。
まずはエグゼクティブ会員になる
まずはエグゼクティブ会員になり、年会費9,900円を前払いする。そして、買い物の度に2%分の還元を受ける権利を行使し、リワードを貯めておく。「貯める」というのは、還元は毎年2月頭に一括して実施される仕組みだからだ。
コストコ野々市倉庫店で受けた説明によると、今の時期に入会した場合、年会費の対象期間は来年の4月末までとなる。
ここからがポイント。
- 来年2月頭に還元を受けたら、同4月末までに使い切ってしまう。
- 次に年会費を払うまでに(つまり4月末までに)エグゼクティブから通常会員にダウングレードする。
- すると、これまで貯めた2%分の還元は受けられる一方、実はエグゼクティブと通常会員の年会費の差額(つまり5,000円ほど)を返金してもらえる。
エグゼクティブ会員になると、年4回以上、特別クーポンが受け取れるし、大型のオリジナル保冷バッグをもらえる。上記の方法を使う前提で月2万円ほどの買い物を続ければ、そもそも年会費の差額分が返金される上、還元分で通常会員の年会費相当を賄える。
つまり、実質的に年会費はゼロとなる。
※入会2年目以降も上記の方法が使えるかは未確認です。スミマセン。
ガソリン、市場平均より16円安⁉/年間で1万円の差に
野々市市の野々市倉庫店、射水市の射水倉庫店は会員向けのガソリンスタンド(GS)を併設している。原油価格が高騰し、ガソリン価格が高くなる中、コストコGSの優位性が際立つ。
筆者が野々市倉庫店を訪れた4月12日、コストコGSはレギュラーが1ℓ当たり156円、ハイオクが166円で販売されていた。
同じ日、筆者の自宅近くにある金沢市内のセルフGSはレギュラー166円、ハイオク176円。資源エネルギー庁が発表した石川県内のガソリン小売価格(11日時点)はレギュラーが172.5円、ハイオクが183.2円となっていた。
県内平均とコストコGSを比較すると、レギュラーで16.5円、ハイオクで17.2円の価格差がある。仮に毎月50ℓをコストコGSで給油すると考えると、県内平均と1万円ほど、セルフGSと6,000円ほどの差になる。
もっと車で移動する人は、これだけでも年会費を払う意味があるかも知れない。
使えるクレカで さらに得に/自分なりの「方程式」を
コストコで買い物する上での難点は、使えるクレジットカードが「コストコ発行のカード」「マスターカードブランドのカード」に限られることだ。
筆者は日常的にVISAの楽天カードを愛用していたので、今回、自分の楽天アカウントを使ってマスターカードのカードも作成した。これで、コストコでの買い物で使った金額に応じ、自分の楽天アカウントに通常ポイントが貯まる。前述の通り、年会費は実質ゼロなので、貯まったポイント分は純粋なプラスとなる。
あらためてになるが、コストコで販売されている商品はサイズが大きい。豚肉は2㎏入りだし、ロールパンは30個以上入っている。ベビースターラーメンは50袋入りで、コーヒー豆は1.3㎏缶で売られている。ティラミスも1.5㎏入りだ。
筆者は日本人にありがちな「国産信仰」から「外国発の大型スーパーなんて、安かろう悪かろうだろう」という偏見を持っていた。でも、それは誤りだった。
ティラミスはティッシュ箱2つ、3つ分ぐらいの大容量なのだが、家族4人(大人2、幼児2)で3日続けて美味しく食べられた。合い挽き肉は牛肉の割合が高いのか、ハンバーグにすると変に脂っこくなく食べ応えある逸品になる。
鶏1匹を丸焼きにした「ロティサリーチキン」(約700円)はそもそも味付けがしっかりしており、カレーの中に入れてもチキンの香ばしさが強く、いつものカレーとは違う味わいを楽しめるのでオススメ。また、芽キャベツなど、日本のスーパーであまり見掛けない食材もあって料理の幅が広がる。
ただ、さすがに野菜や鮮魚など冷凍しにくいものは大容量すぎると使いにくいし、よく見るとグラム当たりの価格がスーパーやドラッグストアより高い場合もある。
そういう意味で、例えば週末にコストコで何を買い、平日に近所のスーパーやドラッグストアで何を買うのか、自分なりの方程式を確立できるかどうかが、賢い消費者になるための必要条件だと感じた。