金沢市のANAクラウンプラザホテル金沢は今年、夏の風物詩的イベント「ビアテラス」を、コロナ禍での2年間の中止や開始時期の順延を経て3年ぶりに通常開催する。4階屋上で4月29日にプレオープン、5月6日にグランドオープンする。
これまで「食べ放題+飲み放題」のみだったプランを細分化する。飲み放題プランは、クラフトビール6種類を含む82種類が好きなだけ飲めるプレミアム(2,500円)、54種類が対象のスタンダード(2,000円)、24種類が飲めるノンアルコール(1,000円)、11種類を含むソフトドリンク(500円)の4プランに分けるほか、飲み物は単品でも頼めるようにする。
料理は大人4,500円、中学・高校生3,000円、小学生2,000円、4~6歳500円。平日(月~木曜)と週末(金~日曜・祝日)で内容を変更し、平日は「グリル料理プレート+ブッフェ食べ放題」、週末は「グリルメニュー食べ放題+ブッフェ食べ放題」とする。
利用時間は120分。10月10日まで営業する。
オジサンだけの場所じゃない!!
今年のビアテラスはコンセプトが「ガーデンレストラン」。席数限定で「ラグジュアリーシート」(追加料金は1人500円)を新設し、大人の女性に利用を促す特別プランも設けて訴求するという。
この辺りの取り組みからは「ビアガーデン=ビール大好きオジサンが仕事帰りに寄る場所」といったイメージを払拭しようとしているように感じる。飲み放題の細分化もそうだが、イメージ変更によってビアテラスのターゲット層を広げる意図があるようだ。
これには、いろんな背景が考えられる。
1人当たりの日常的な飲酒量が減っているのは周囲を見渡せば明らか。男性よりも女性の方が活動的だったり、懐具合が豊かだったりする場合もある。
コロナ禍で「会社のみんな20人で居酒屋行くか!」とはなりにくいご時世。一方、閉鎖的な場での飲食に今なお抵抗感を覚える人も根強くいる中、JR西日本が金沢駅近くの未利用地で屋台村を営業して人気を集めるなど、屋外での飲食機会が注目されている。
もちろん、ホテル側は宴会や婚礼が減った厳しい台所事情の下、客層を広げて客数を増やしたい思惑もあるだろう。だが、根底にはコロナ禍での生活様式・嗜好の変化に加え、全体の賃金が上がらない中でも活躍する女性が増えて経済力が向上するなど、中長期の要素に起因した「オジサン文化の陰り」みたいなものがあるのかも知れない。
なんて、ちょっと大げさに語りすぎたか。肉が食べたい。