【感謝】100日間の連続投稿を達成/ウェブに書く面白さはどこにあるか

【感謝】100日間の連続投稿を達成/ウェブに書く面白さはどこにあるか

2022年5月11日

この記事を投稿することで、連続投稿100日間の記録を初めて達成した。

「100日」にどれだけの客観的な価値があるのか分からないが、自分自身は達成感がある。それと言うのも、この間に、サイト閲覧数(1日平均)が10倍近くに膨らんだからだ(もともとの実数が小さかったため伸び率が大きいという事情も)。

何はともあれ、皆さま、ご愛読ありがとうございます。

この機に、ウェブで記事を公開する面白さについて、かつて筆者が携わった新聞業界と対比して書きたいと思う。

①1つ1つの記事が独立の商品

筆者が勤務した地方紙は、自社の記者によるローカル記事、共同通信や時事通信による配信記事を合わせて新聞を作っていた。長短さまざまな数百本の記事は「新聞」という1つの商品にまとめられ、各記事がどれだけ読者の関心を集めたか分からない。

言ってみれば、1種類の弁当のみで勝負しているため、弁当の販売個数は分かっても、どのおかずのファンが多いのかは把握できないのだ。

これには良い面もある。全体として魅力を保てれば、99%の人が読み飛ばしそうな記事も、社会的意義があると判断すれば片隅に盛り込める。

半面、正確な読者のニーズと乖離し、作り手本位の独りよがりな商品になる場合もある。

この点、ウェブは、各記事が読まれた回数や辿り着くまでの経路が簡単に把握できる。1つ1つの記事は独立した商品として、毎分毎秒、評価を受けているのだ。

例えれば、ウェブ上の記事は惣菜のバラ売り。どんな状況下で、どのおかずが好まれるのか、ひと目で分かる。

以前、イオンモール白山の近くに新しい公園ができたと紹介した記事は、週末の天気が良いと閲覧数が伸びる。「イオンモール白山 近く 公園」と検索されるからだ。一方、新聞社時代に心血を注いで書いていた上場企業の決算記事は、ネット上ではほとんど読まれない。

もっとも、閲覧数が少ないから不要ということではない。あまり読まれていない記事について関係者から情報提供があり、そこから交流が深まって特大のネタにつながったこともある(準備に時間が要る大仕掛けを用意中なので、ネタの中身は現時点で秘密)。

②半永久的、持続的に収益を生む

昔、先輩に「新聞は翌朝に古新聞になる」と言われた。「それでも記憶に残る記事はあるから、頑張って書け」と続くのだが、筆者は前段を重く受け止めた。

何年も前の記事を飾る飲食店があり、熱心に記事スクラップを続ける人がいる。新聞社時代、たまに「先月5日の朝刊を譲ってください」という電話も受けたが、それらはレアケース。多くの人にとって、新聞は翌朝に「かさばる紙の束」になる。

一方、上述のイオンモール近くの公園の記事をアップしたのは半年前。しかし、週末の天候が良いと、今も必ず閲覧数が増え、その度に収益を生む。過去に書いた記事は、ずっと財布に金を運び続けるのだ。

これは株式投資に近い感覚だ。筆者はマイクロソフトや丸紅の株式を多く保有している。筆者が寝ていても遊んでいても、投資先の優秀な社員が世界中で汗水を流して企業業績を伸ばす。その成果は、株価の上昇や増配として株主に還元される。

つまり、新聞社にとって多くの古新聞が負債なのに対し、ネット上の記事は公開翌日以降も資産と認識できる。これが最も対照的な点かも知れない

③スペースが無限にある

新聞は日々のページ数がおおよそ決まっている。でも、大きなニュースが毎日あるわけはない。仕事がデキる記者は、いつでも掲載できるネタを集めておき、ニュースの少ない日に放出するのだが、それでも記事が足りない日もある。そんな時、特に「紙面を埋める」という意識が強く働く。

弁当の例なら、紅鮭とシイタケが仕入れられず、おかずが不足する局面で「卵焼きにホウレンソウを混ぜ、水を足して大きめに作って補おう」みたいな話だ。

大きな記事は作り手、取材を受けた側からすれば都合が良いが、度を超すと、読者は「卵焼きが薄味で、やたら大きいな…」と違和感を持つ。

無限の空間を持つウェブだと、この調整が要らない。200字が妥当なニュースだと思えば200字で書けばいい。無理に400字に延ばす必要はない。逆に2,000字が妥当だと思ったのに、紙面の都合で1,000字に収めるよう制約を受けることもない。

もっとも、新聞はニュースが多い日に「制約」を逆手にとり、ニュースが少ない日のために記事を温存しておける。一方、ウェブだと、その日に書かなければ、単に見落としたか、怠けたか、ということになってしまう。

まとめ 相違点と共通点

新聞とウェブの相違点は、挙げればキリがない。新聞社では寝ていてもネタが転がってきたが、個人サイトではそうもいかない。ただ、こうしたメディアの特性や立場の違いを超え、両者に共通する点もある。

筆者はサイト閲覧数が思うように伸びず、どうすれば多くの人に読んでもらえるか、知り合いの経営者に相談したことがある。すると、その方は考える間もなく答えた。

「正しいと信じることを書き続ける」

弁当か、惣菜か。それは売り方に違いがあるだけ。共通する肝心な点はサービスの受け手に喜んでもらえるよう、最大限の努力を積み重ねて独自の味を出すこと。それが本物なら、自ずとファンが増えるはず。

やはり「100日連続投稿」は、改良を重ね続けた日々だから、少しぐらい誇っても良いのかもしれない。そうと分かれば、さあ、明日を101日目にしよう。

国分 紀芳

国分 紀芳

1985年生まれ。石川県出身。慶應義塾大学商学部を卒業後、北國新聞社に入社。キャリアの大半を経済記者として過ごす。2022年2月に独立・起業した。

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