富山大学は日本製鉄、ENEOS子会社のENEOSグローブとともに、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の公募事業に「カーボンリサイクルLPG製造技術とプロセスの研究開発」を提案し、採択されたため研究開発に着手した。化石燃料由来ではないLPガスの高効率な製造技術の確立を目指す。
公募したのは「カーボンリサイクル・次世代火力発電等技術開発/CO2有効利用拠点における技術開発/研究開発拠点におけるCO2有効利用技術開発・実証事業」。
LPガスとは液化石油ガスのことで、プロパンガスとも呼ばれる。通常は原油生産時に発生するガスから分離させたり、ガス田から天然ガスを採取する際に分離させたりして作る。
今回、3者は化石燃料に由来せず、二酸化炭素を原料として、一酸化炭素と水素を反応させる「フィッシャー・トロプシュ合成」を活用してLPガスを作る触媒技術を開発し、製造工程、社会実装モデルの研究開発を実施した上で、事業化を検討する。
3者共同の発表によると、LPガスは現在、国内の半数の世帯で使用され、年間約1,400万tの需要がある。この大きな市場の脱炭素化を推進することで、カーボンニュートラル社会の実現に貢献するという。