「港フェスタ金沢」レポート/海上保安庁の巡視船さど公開/併催「コマツフェスタ」はドンブラザーズショーも

「港フェスタ金沢」レポート/海上保安庁の巡視船さど公開/併催「コマツフェスタ」はドンブラザーズショーも

2022年7月17日

2022年7月16日、金沢港クルーズターミナルで「港フェスタ金沢2022」が開催された。子ども2人を連れて出掛けてきたので、併催の「2022小松金沢工場フェスタ」も合わせ、簡単に内容と感想を紹介する。

くだけた雰囲気の海保

海上保安庁の巡視船「さど」

港フェスタの目玉は、たぶん海上保安庁の巡視船「さど」の一般公開だっただろう。予約不要で、入場希望者の行列は長く、15分ほど待って乗り込めた。

現場にいた海上保安庁の方に聞くと、巡視船というのは海上保安庁が使う最も一般的な船舶で、警察で言えば「クラウンのパトカー」みたいな位置づけらしい。

ちなみに「さど」は巡視船の中でも規模が大きい方で、比較的遠くまで乗り出すこともできる船だそうだ。

もっとも「一般公開」と言っても、基本的には甲板をぐるりと1周できるだけ。それだけでも貴重な経験だし、セキュリティーの関係で仕方ない面があるのだろうが、もう1歩踏み込んで内部を見せてほしかった。

公開訓練に登場したボート

「高速機動連携訓練」というアニメにでも出てきそうな呼称の訓練が公開された。2種類3隻のボートが小回りを利かせながら狭い海域で急加速、急減速、急旋回を繰り返す訓練で「所詮ボートやろ」と侮っていたら、意外に迫力満点で驚いた。

ボートは見た感じだと、海上にありながら、その辺のスポーツカーに負けないくらいのスピード感や機動性があった。

訓練開始前には3隻のドライバーの名前や出身地が紹介され、続いて「皆さまに耳より情報です!ドライバー3人、訓練に没頭するあまり、彼女がいません!現在、募集中です!」みたいなアナウンスが流れていた。会場にいる女性は大半が人妻だろうから効果のほどは分からないが、その他にも何カ所か軽口があり、くだけた雰囲気は伝わってきた。

ちなみに、会場には紺色の制服を着た職員と白色の制服を着た職員の両方がいた。他の海上保安庁の方に聞くと、紺色は普段用で、白色は式典などで着るフォーマルな制服だそうだ。

さて、「さど」の隣には金沢市消防局の消防車も展示されていて、子どもが運転席に乗って写真撮影できた。国土交通省所有の船舶「わかなⅡ」の乗船体験もあった。

海上自衛隊も宣伝ブースを構えており、子どもが記念撮影するための小さな制服が飾られていた。

筆者の息子。写真掲載するか迷ったが、せっかくなので

白バイがスラローム/県警には注文したいことが…

「さど」乗船のための列に並んでいると、少し遠くから爆音が聞こえてきた。息子と走って見に行くと、石川県警の白バイ隊がスラロームを実演していた。コマツ金沢工場フェスタの一環だ。

目の前で繰り広げられるスラロームは、ボートとはまた違う迫力。

走っている場所はフットサルコートぐらいの狭い区画なのだが、「ピュイーン!!!」という甲高いサイレン音とともに短い直線で急加速する様子を見ると、いちドライバーとしてドキッとする。お世話にならないよう気を付けます…。

県警が一企業のイベントで、こうしたデモを見せてくれるのは有り難い。パトカーやミニ白バイと写真を撮れるのは、子どもにとって胸躍る瞬間になる。

ただ、疑問もある。コマツ金沢工場フェスタの開催時間が10~16時なのに、県警ブースが12~14時の2時間だけというのは、どうなんだろう。14時を過ぎ、早くも「がらんどう」になった会場入り口付近の風景は、何だか寂しかった。一部だけでも展示を残していれば、雰囲気は違っただろう。

ちなみに、コマツ金沢工場フェスタではテレビ朝日系列の戦隊ヒーロー「暴太郎戦隊ドンブラザーズ」のショーが午前と午後の2回、行われた。こちらは写真撮影禁止なので記録なし。子どもは大満足だったようだ。

開催時期は検討すべきか

全体に楽しいイベントだったものの、開催時期はもう少し前倒しすべきかも知れない。

かき氷店や巡視船の前には、気温30度を超える炎天下で「数十分待ち」の長い行列ができていた。「海の日」に合わせて7月中旬に開きたいのは理解できるし、たまにクルーズターミナルで休めば良いのだが、そもそも、子どもが夢中になれる催しを用意する一方で「たまに休憩してね」と言うのも酷な話。イベントの性質上、もっと涼しい時期の開催を検討しても良いと感じた。

国分 紀芳

国分 紀芳

1985年生まれ。石川県出身。慶應義塾大学商学部を卒業後、北國新聞社に入社。キャリアの大半を経済記者として過ごす。2022年2月に独立・起業した。

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