22年9月中間期決算、北陸で下方修正が続々 / 原材料や電気代の高騰で製造業、非製造業とも打撃

2022年9月中間期決算の発表が始まって1週間。北陸3県に本社を置く上場企業の決算は、既に通期業績予想の下方修正が相次いでいる。

期初時点ではコロナ禍で落ち込んだ生産活動やサービス需要が急回復すると思われていた。しかし、原材料価格や電気代の高騰が各社の利益面を下振れさせているほか、一部で部品の調達難も続いているため売上高が下振れする企業も出ている。

通期増益予想が一転して減益予想に

食品スーパーのアルビスは2022年10月31日、通期(2023年3月期)の業績予想を下方修正し、もともとの増収増益見込みを増収減益見込みに引き下げた。

スーパーを巡っては、消費者の節約志向が続き、業種や業態を超えた競争が激しいという外部環境がある。そんな中で人件費は上昇し、原材料価格、電気代が高まったことで、利益が下振れする。

営業利益は前回予想から26%減、経常利益は19%減、純利益は21%減とし、いずれも前期実績を下回ることになる。出店効果もあり、営業収益は従前の予想を据え置いた。

小松ウオール工業は10月27日、通期業績予想を下方修正し、各利益が前回予想比で50%近く下振れするとの見通しを示した。こちらもアルビスと同じく、通期は増収増益予想が一転、増収減益予想に変更となった。

北陸電気工事も10月26日に通期業績予想を下方修正。こちらも利益が見込みの半分程度になるとみており、増収増益予想を減収減益予想に変えた。

高松機械工業も10月31日、通期の業績予想を、売上高、利益とも下方修正した。新工場の稼働による減価償却費の増加も原因だが、原材料価格の高騰や部品調達難も重しとなっている。

10月28日に通期業績予想を下方修正したEIZOは、減益幅が当初の予想から拡大する。ドル建てで材料を調達しているため、現在のドル高基調が減益要因になっている。

北陸電力は通期業績予想を発表していなかったが、10月27日に公表した通期業績予想は、同社として過去最大の赤字を見通す内容だった。

利益の進捗率が100%超えも、通期予想を据え置き

10月31日に9月中間期決算を発表したハチバンは、中間期が黒字で、通期も黒字を見込む予想を据え置いた。

中間期時点の利益は通期業績予想と比べた進捗率が100%を超えているのだが、現時点で通期業績予想を修正はしなかった。コロナ禍で2期連続の赤字となった苦い経験から、先行きを慎重にみているのだろう。


こうして見てみると、現時点で好決算・好業績と言えそうなのは(金融、証券を除くと)田中化学研究所と小松マテーレぐらいか。来週は決算発表ピークで、特に木曜・金曜に集中している。今の状況を見ると、どうやら厳しい内容が続出しそうだ。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です