【独自・速報・詳報・続報②】バイパスレジャーランド御経塚店、23年7月28日にオープン/「特例」の新店、クレーンゲームが主力

【独自・速報・詳報・続報②】バイパスレジャーランド御経塚店、23年7月28日にオープン/「特例」の新店、クレーンゲームが主力

2023年7月25日13:40にアップした記事です

野々市市の御経塚交差点角地で整備されたゲームセンター「バイパスレジャーランド御経塚店」のオープンが、2023年7月28日(金)9時に決まった。御経塚はホームセンタームサシを中心とした複合商業施設ができて1カ月。さらに周辺の賑わいが増す。

撮影は2023年7月25日

初報は以下のリンクから

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石川県内でのレジャラン出店は22年ぶり

広く全国でゲームセンターを展開する山崎屋(金沢市)にとって、近年の主な出店場所は首都圏をはじめとする石川県外だった。

石川県内でのゲームセンター出店は2001年の「バイパスレジャーランド加賀店」(加賀市箱宮町)以来で、実に約22年ぶりとなる。

山崎屋によると、御経塚店はフロアの面積が700㎡強(200坪強)。もともとパチンコ店だった建物のうち、バックヤードを潰してゲーム機を置ける面積を可能な限り広げた。

そのゲーム機は全部で約200台を並べる。このうち、4分の3に当たる約150台をクレーンゲームが占める。他の約50台はビデオゲーム、ドライブゲームなど。家族連れの来店も見込んでいるため、キッズ向けのメダルゲームコーナーも設ける。

営業時間は9:00~24:00。

「4分の3がクレーンゲームって多すぎない?」

上記のフロア構成を山崎屋の広報担当者から聞き、筆者はすぐに口を挟んだ。

「えっ、クレーンゲームの比重が高すぎない?なんで???」(実際はもっと丁寧な口調)

山崎屋によると、ゲームセンター市場は緩やかに縮小した後、近年は横ばい傾向となっている。その内訳として、ビデオゲームやメダルゲームは一部に人気機種があるものの全体に往時の勢いはなく、市場を下支えしているのがクレーンゲームだという。

それにしても、なぜ今どきクレーンゲームなのか。現代はスマートフォンを使えば、手軽に臨場感あるゲームが楽しめる。そんな時代にクレーンゲームなんて、古典的すぎやしないか。

聞くと、最近のクレーンゲームの景品は、人気アニメやアイドルとタイアップしてゲームセンターでしか手に入らない場合があり、ゲーセンに来たついでにクレーンゲーム「も」やるというより、その景品を目当てに来店するケースがあるらしい。

そう言えば、YouTubeにはクレーンゲームのコツを解説した動画が上がっているし、フリマアプリで景品が売買される時代だ。アナログなクレーンゲームは一周まわって付加価値が大きくなり、魅力が見直されているようだ。

最近はゲーセン大手のラウンドワンも、クレーンゲームのフロアを拡大している。金沢店も「世界最大級のクレーンゲームフロア」と銘打った「ギガクレーンゲームスタジアム」というコーナーを設けており、全国的な動きと言える。

今回のバイパスレジャーランド御経塚店のフロア構成も、こうした潮流に則ったものらしい。

200坪台は「近年だと小規模」

ところで、フロアの面積が「200坪強」と言うのは、最近の郊外型ゲームセンターにしては、やや小さいだろう。実際、山崎屋の広報担当者も「本来なら1フロア500坪ぐらいはほしいところ」と話す。

それでも御経塚に出店した理由は「立地」だという。

野々市市周辺は若い家族が多い。そして、御経塚交差点は石川県内で有数の交通量があり、2023年6月には「ムサシ」、ヤマダデンキの「Tecc LIFE SELECT」、「イオンスタイル」からなる商業施設がオープンしたばかり。イオンモール白山も近くにあって、商業集積が進むエリアだ。

新店に使う建物は旧パチンコ店で、建物は天井が高く、大空間が広がっている構造。改修は必要だが、ゲーセンに転用しやすかった。そんな諸条件が重なったことから、確保できる面積こそ狭くても半ば「特例」的に出店を判断したようだ。

近隣の競合店と相乗効果

とは言うものの、今どき、立地の良い場所がアミューズメントの空白地として放置されているはずもなく。バイパスレジャーランド御経塚店の隣には、クレーンゲームを売りの1つにする「浪漫遊」がある(下の写真を参照)。

右の茶色の建物が浪漫遊(2023年7月21日撮影)

斜め向かいみたいな位置には、やはりクレーンゲームを設置しているレンタルショップ「GEO(ゲオ)」もある。

「こりゃ潰し合いが始まるぞ」と思って聞くと、案外そうでもないらしい。

山崎屋によると、同社がゲームセンターを置くショッピングモールに、後から似た業態の店が入ってきたケースがある。山崎屋にとっては競合が増えるわけだが、フタを開けると、両店をハシゴする人がいて、かえって売り上げが増えたという。

県外ではイオンモールとアウトレットモールが隣り合って共存するケースがある。そんな感じで相乗効果を創出する効果が、ゲーセンでもあるようだ。


何はともあれ、オープンまであと少し。

どんな店になるかはもちろん、他店との競合や相乗効果を含め、大きく変化する御経塚交差点の一帯が、さらにどんなふうに発展していくのか、目が離せない。

国分 紀芳

国分 紀芳

1985年生まれ。石川県出身。慶應義塾大学商学部を卒業後、北國新聞社に入社。キャリアの大半を経済記者として過ごす。2022年2月に独立・起業した。

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