富山県発祥のメーカー、不二越(東京)は2023年1月12日、23年11月期の業績予想を発表し、原材料高の環境下でも増収増益だった22年11月期からさらなる増収増益になると見込むとした。
22年11月期は国内売上高が前期比4%増の1,216億円、海外売上高が21%増の1,364億円で、海外の回復ぶりが顕著だった。自動車分野は生産調整があったものの、産業機械分野などで需要が戻ったためだという。
原材料価格の上昇分は販売価格への転嫁が進んだ。操業度が改善したほか、自動化や合理化による生産性の向上や調達費用の削減が奏功した。配当(期末のみ)は前期比10円増の110円に修正した。
売上高 | 営業利益 | 純利益 | |
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22年11月期の実績 | 258,097(12.6) | 17,025(15.7) | 12,237(22.5) |
23年11月期の予想 | 260,000(0.7) | 17,500(2.8) | 12,500(2.1) |
23年11月期は自動車生産が正常化に近付くものの不透明感も残り、産業機械や建設機械の分野は一部に調整の動きがあるらしいが、引き続き増収増益を見通している。配当は期末のみ110円の予想を据え置いた。
代表取締役は黒澤新社長1人に
不二越は2023年1月12日の取締役会で、坂本淳社長が2月22日に取締役ではない顧問へ退き、黒澤勉取締役が後任の社長に就くトップ人事を決めた。
同時に本間博会長が代表権を返上して取締役会長となるため、代表取締役は黒澤新社長のみとなる。
黒澤氏は現在57歳で、1989年に不二越へ入社。2021年2月に取締役になったばかりであり、役員になって2年後の社長就任となった。