ジーンズ&カジュアル専門店「アメリカンスクエア マツヤ金沢店」(金沢市駅西新町2丁目)に何気なく立ち寄ったところ、店の最も奥まったコーナーで、なぜか目に留まったミリタリージャケットがあった。
広げてみると「DEAD STOCK スウェーデン軍 M-84ユーティリティージャケット」の表記。
筆者と同年代のジャケット?
どうやら、軍の倉庫に長く保管されていた商品らしい。
あいにくミリタリーに関して何の知識もない筆者。その場でミリタリーウェア専門店のウェブサイトを見てみると、1980年代にスウェーデン軍で使われたものだという。確かに、手元の商品のタグにも「1980」と書かれていた。
筆者は1985年生まれなので、まさに同年代ということになる。
値段は税込み4,290円。「よし、買う」
機能や素材から見た衣服としての価値は知らない。でも、自分と同年代の軍服が、たまたま自分の目の前に現れた、というストーリーに、4,000円以上の意味を感じた(後で楽天市場を見たら5,000円前後が相場だった)。
購入サイズは「C46」
購入品のサイズ表記は「C46」。
店舗での表記からすると、C46は「S」で、「C48」がM、「C50」がLを示す。
筆者は身長186㎝、体重67㎏で、ユニクロあたりだとMサイズを購入することが多いが、今回は46と48を試着し、46でもそれなりに余裕があることから、46に決めた。
商品自体、それなりに厚手なので、内側にセーターなどを着込む想定で48にしても良かったかな、とは思う。
外側は見ての通り、ほとんど装飾がない。肩に、本来なら階級章を付ける「エポレット」という折り返し部分がある程度のミニマルなデザイン。
ポケットは外側には一切なく、左右の胸部分に内ポケットがあるのみ。あとは内側に、ウエスト回りを絞るためのドローコード(アウトドア系のジャケットによく付いているヒモ)があるだけ。
腕のボタンは、よく見ると分かるが、内側を向いて設置されている。
これはミニマルデザインのための配慮というより、戦場や訓練での無用な引っ掛かりを防ぐためではないかと思う。
雑な縫製 / むしろ それが良い
ミニマルデザインの次に気付くのは、縫製の粗さ。
ボタンの縫い糸、ポケットの内側……あらゆる場所から糸が飛び出している。もしも現代のアパレル業界でやったらクレームの嵐になるレベルだ。
もっとも、元来がファッションのために作られたジャケットではない。軍服の管理事情は分からないが、きっと、ハードに動き回る場面で着て、傷んだら捨てていたのだろう。消耗品だと捉えると、コスト優先で雑に作ったとしても仕方ないか。
こうなったら、筆者も雑に…
帰宅して「アホ毛」のように飛び出す糸を愛でながら、いずれ、さらにほつれたり穴が開いたりしたら、筆者もあえて雑に修理して使用感を出してみよう、と思った。
例えば、縫い直す糸はカーキ色ではなく茶色にするとか…。
せっかく30年以上の眠りから目覚め、そして筆者と出会った「同級生」である。彼の性格を尊重し、末長く付き合っていきたい。
■アメリカンスクエア マツヤ金沢店