白山市にある石川県ふれあい昆虫館がカブトムシ・クワガタムシ一色になっている。2023年8月31日まで、特別展「世界のカブトムシ・クワガタムシ」をやっており、生のヘラクレスオオカブトと写真が撮れる。
石川県ふれあい昆虫館は1998年7月に開館した。幼少期を津幡町で過ごした筆者は昆虫とともに育ったが、開館時は13歳で既に昆虫への興味を失っていた。よって、今回は開館25年にして初めて足を運んだ。
まず、入り口がすごい。傘立てかと思いきや……
「虫とりアミおきば」なんて、生まれて初めて目にした。
8月31日まで特別展「世界のカブトムシ・クワガタムシ」
冒頭に書いた通り、カブトムシ・クワガタムシにフォーカスした特別展をやっているので、一部を紹介する。
まずはカブトムシから。
個人的には写真3枚目、コーカサスオオカブトが最も格好良いと思うのだが、よくよく見ると、1枚目のアトラスオオカブトとの違いがよく分からない……。まだまだ修業が足りないようだ。
次にクワガタムシ。
カブトムシと比べてバラエティーに富んでいるようだ。
見た感じで言うと、タランドゥスオオツヤクワガタは洗車上手な運転手がいる社長のクラウンみたいな光沢感だし、メタリフェルホソアカクワガタは体の半分がアゴという極めて動きにくそうな形だし、メンガタクワガタは私立小学校が採用するランドセルみたいな色と質感だ。
1日に2回、生きているヘラクレスオオカブトと一緒に写真をとったり、触ったりできる体験イベントをやっている。先日、ツイートした通り、筆者の近所のホームセンターでは1匹3万円弱で売られていた高級カブトムシでもある。実際に触れられるのは貴重な機会である。
なんで飛んでいかないの???
ところで、カブトムシやクワガタムシって、しっかりとした羽根があって、自由に空を飛べるはず。こうして写真撮影している間にも、どこかへ飛んでいかないのか。
学芸員の方に尋ねると「カブトムシやクワガタムシは基本的に夜行性なので、昼とか明るいところでは動きが鈍い」とのこと。たぶん、人間なら夜間に目が覚めて寝ぼけているような状態であり、そのまま全力疾走しろと言われても難しいのと同じ感じのようだ。
確かに、この夏、筆者が金沢市内の山中で捕獲したノコギリクワガタは、明るいところだと「ん?生きてる?」ってぐらい大人しい。それで息子(6歳)が枕元に持ち込んで寝たのだが、照明が消えて寝静まると「ガサガサ」「ゴソゴソ」と忙しなく動き回っていた。息子は爆睡していたけれど…。
常設展、大人も学びがたくさん
常設展の方も見どころは多く、あらためて展示内容を見ると、大人も学びが多い。実際、②時間半ほど滞在する間に、若者同士のグループを何組も見た。
写真3、4枚目の青色と緑色を混ぜたようなチョウは「世界三大美チョウ」のうちの1つらしい。驚いたことに、この色は羽根が発色しているのではなく、光を反射したらこんな色に見えるということらしい。だから、見る角度によって色合いが異なるのが面白かった。
常設展示のところにも生きたヘラクレスオオカブトなど珍しい昆虫がいるので、十分に楽しめるはずだ。
好感を持てたのは「生態系保護のため虫を採るのは止めましょう」ではなく「虫に親しみ、最後まで愛しましょう。必要な数以上を採るのは止めましょう」というスタンスを子どもたちに呼びかけていること。
何でも禁止すれば良いわけではない。大切さを理解させた上で、適切な行動を考えさせることが大事だろう。
ぜひ、一度、足を運んでみてほしい。