【独自、続報⑨】イオン御経塚SC跡地、ヤマダデンキ店舗は北陸初の新業態店「Tecc LIFE SELECT」に決定

【独自、続報⑨】イオン御経塚SC跡地、ヤマダデンキ店舗は北陸初の新業態店「Tecc LIFE SELECT」に決定

2023年2月1日

野々市市御経塚2丁目の「イオン御経塚ショッピングセンター」跡地の開発で、家電販売大手のヤマダデンキ(群馬県高崎市)は、北陸初登場で、取扱商品を拡大した新業態店「Tecc LIFE SELECT」を導入する方針を固めた。

イオン御経塚SC跡地に複合商業施設を開発する建設工事は、2023年5月の完了が予定されている。

2023年1月31日午前の建設現場の様子。他のイオン御経塚SC跡地開発の写真も同日に撮影

イオン御経塚SCの跡地開発に関するまとめページは以下のリンクから

【まとめ】イオン御経塚SC跡地、アークランズが複合商業施設「アークオアシス」を開発/23年6月28日オープン

ホームセンター「ムサシ」を展開するアークランズ(旧アークランドサカモト)は、野々…
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取り扱いを家電以外に拡大

「LIFE SELECT」は従来の「大型家電量販店」としてのヤマダデンキから取扱商品の幅を広げている。例えば「家具・インテリア」「生活雑貨」「リフォーム」といったジャンルの商品が強化されているらしい。

ヤマダデンキは今回の出店予定地であるイオン御経塚SC跡地から、道なりに1.8㎞ほど南下した野々市市三日市2丁目に「家電住まいる館×YAMADA web.com 野々市店」という店舗を展開している(下のマップの通り)。

道なり1.8㎞の距離で、しかも同じ国道8号沿いとなると、さすがに家電量販店としては商圏が重なるだろう。既存店の撤退も有り得るが、1つには、こうした背景から北陸初の新業態の出店を決めたとみられる。

新業態店、他の地域では「スマートカート」を導入

さて、それでは「Tecc LIFE SELECT」がどのような業態なのか、もう少しだけ見てみる。

2022年11月、仙台市にオープンした「Tecc LIFE SELECT 仙台あすと長町店」では、ECサイト「ヤマダウェブコム」で注文して「おみせde受取!」を選ぶことで、店舗に設置された宅配ロッカーで24時間いつでも商品を受け取れる仕組みを取り入れた。

同様に「ヤマダウェブコム」で注文して「おみせde受取!」を選び、専用スペースに駐車して近くのインターフォンでスタッフを呼び出すと、注文商品を車まで持ってきてくれる「カーブサイドピックアップ」もある。

さらに、同店ではカートに入れた段階で商品登録し、レジに並ぶ時間を大幅に減らせる「スマートカート」を取り入れた。スマートカートはヤマダデンキの店舗として初の導入だったらしく、22年11月にできた店舗に入ったのなら、23年夏に開業予定の御経塚でも取り入れられる可能性はありそうだ。

ホームセンターと競合しないの?

ところで、イオン御経塚SCの跡地開発は、そもそもホームセンター「ムサシ」を展開するアークランズ(新潟県三条市)が主導し、ヤマダデンキやイオンリテールの店舗などが入る大型の複合商業施設を開発しようとしている。

現地(野々市市御経塚2丁目)に行ってみると、建物の規模の大きさに胸が高鳴る

そこで疑問に思うのが、ヤマダデンキが取り扱いを拡大する「家具・インテリア」「生活雑貨」「リフォーム」といった分野は、ホームセンター「ムサシ」と思いっきり重複するんじゃないか、ということだ。

この点、参考になるのは2022年2月に愛知県一宮市でオープンした複合商業施設だ。ここにはアークランズが展開するホームセンター「スーパービバホーム」があり、その2階に「Tecc LIFE SELECT」が入っている。

筆者は現地を訪問したことがないものの、オープン時のプレスリリースに付された上の写真を見る限り、ホームセンターよりはやや上質な部類の商品も扱い、品ぞろえも多いことから、互いに調整すればすみ分けできそうだ。

何なら、多様な価格帯の、さまざまな商品を比較検討できる場として、両店とも顧客層が広がるメリットもあるのかも知れない(もっとも、そうじゃないと、わざわざ一緒に出店しないだろうが)。

オープンまであと半年ほど。消費者の1人として、とても楽しみになってきた。

国分 紀芳

国分 紀芳

1985年生まれ。石川県出身。慶應義塾大学商学部を卒業後、北國新聞社に入社。キャリアの大半を経済記者として過ごす。2022年2月に独立・起業した。

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