JR東日本とJR西日本は、新幹線の自動運転を実現するための技術協力を進める。2030年代半ばに上越新幹線の東京~新潟間を営業運転できるよう目指すほか、北陸新幹線への導入も検討する。
両社連名の発表によると、自動運転には6段階あり、まずは2020年代の終わりごろに上越新幹線の新潟~新潟新幹線車両センター間の「回送列車」に、レベル6の自動運転の採用を予定する。レベル6というのは、全く乗務員がいない最終形態となる。
遅れて2030年代半ばに東京~新潟間での導入を目指すのは、一般利用者が乗る「営業列車」。自動運転の段階はレベル5で、列車は自動で運転されるものの、避難誘導などを担う乗務員がいる状態となる。
JR東日本、 JR西日本は2023年4月に覚書を締結した。相互直通運用を行う北陸新幹線の新型車両「E7系」「W7系」をベースに、自動運転の実現に向け、技術開発や検討で協力する。
JR西日本は今後、北陸新幹線で自動運転を実現させるべく、システムの開発やコストの軽減といった検討を進めるという。ただ、現時点では北陸新幹線に自動運転を導入する時期を明記していない。
これまでの経緯
JR東日本は2021年度、上越新幹線の新潟~新潟新幹線車両センター間で、回送列車を用い、自動運転の試験走行に取り組んだ。
一方、JR西日本は2022年度、白山市の白山総合車両所の敷地内において、自動運転技術を使った車両の加速・減速、あらかじめ決めた位置への停車などの動作に関する実証試験を行っていた。