2024年春、石川県に2つの輸入車ブランドが本格進出!/世界最大のEVメーカー「BYD」、英国発のバイク「トライアンフ」

2024年春、石川県に2つの輸入車ブランドが本格進出!/世界最大のEVメーカー「BYD」、英国発のバイク「トライアンフ」

2024年春、金沢近郊に2つの輸入車ブランドが新店を構える。北陸でシェアを伸ばしてきた輸入車だが、足元は販売台数が頭打ちに。しかし、逆に言えば一定の浸透度は保っているということで、新ブランドの投入によって国産車を含む既存市場に切り込む。

BYD新店は金沢・入江

BYD AUTO金沢」は金沢市入江3丁目60で出店準備が進んでいる。オートバックスの隣で、もともと「中日サービス北陸中日新聞折込センター」だった建物を改修しているもよう。

BYDは2023年の新車販売台数がグローバルで300万台を超えた。単純に台数ベースだとテスラを抜いてEV業界で世界トップ。自動車メーカーとしても十指に入る規模に成長している。

日本国内で販売網を拡充しているフェーズにあり、北陸の近くだと、2月22日に岐阜県内で初の店舗をオープンさせるし、新潟県でも開業準備室が立ち上がっている。

「BYD AUTO 金沢」「BYD AUTO 富山」については「EV北陸」という会社が経営する。ホームページによると、EV北陸が北陸3県でのBYDのディーラー業務を担うらしい。

金沢と富山の開業準備室は白山市田中町にある。準備室の所在地は石川県・富山県でBMWやポルシェなどのディーラーを手掛けるイーピーエムグループ(EPM)の本社と重なり、経営者も北川善昭氏で同じなので、EPMがやるということのようだ。

トライアンフは3月29日グランドオープン

トライアンフ金沢」の新店はグランドオープンは3月29日。場所は野々市市中林2丁目で、しまむら系列の雑貨店「シャンブル」の隣、スーパー「ラ・ムー」の向かい。現在、店舗の新築工事が進んでいる。

こちらは外観だけほとんど完成。黒一色の外観がディーラーの世界観を表現している。

筆者は二輪車に全く興味がないのでトライアンフのことはよく知らないが、しばらく前に新神田の「Jeep」販売店だった建物の一角に「TRIUMPH」のロゴが掲げられて気になっていた。

実はジープやシトロエンのディーラーをやっている会社「グローバルモータース」が新たにトライアンフ金沢を立ち上げていた。野々市市に建設中の店舗はトライアンフ金沢の「新店」という位置付けのようだが、どちらかと言うと、これにより本格展開に乗り出す印象だ。

あと1カ月でオープンなので、関心ある方は是非。

北陸の輸入車シェアは横ばい基調

ここで、直近20年間を対象に、北陸3県の輸入車新車登録台数の推移をグラフにまとめてみた。参考にしたのは日本自動車輸入組合による統計で、台数は乗用車に貨物車とバスの台数を含む。

近年の輸入車販売はリーマン・ショックやコロナ禍といった外部要因の大きな変化に見舞われた。その辺の影響を考慮しつつ中期的な目線で見ると、販売台数は横ばい基調に落ち着いているように見える。

国産車を含む新車全体に占めるシェアを見ると、近年は5%前後で、こちらも横ばいで推移している。新車市場の中で存在感が特に高まっているわけでも低下しているわけでもなさそうだ。

販売台数を増やしてはいけない?

そもそも輸入車ディーラーは店舗数が少ない。新車の営業店は1県に1店が普通で、多くても2店ほど。もっとも、ブランディング面を考えると、店舗や台数が多ければ良いとも言い切れない。輸入車を好む層は「他人と違う車に乗る」ことに価値を感じる面もあるからだ。

一方、この先の自動車市場を予想した時、人口減少や高齢者の免許自主返納の奨励などによる市場の縮小は避けられそうもない。これは社会的な要因なので、それぞれのディーラーがどうあがいても到来してしまう未来と言える。

では、そんな時代、輸入車サイドがブランド価値を保ちながら企業成長・業容維持を遂げるにはどうするか?

あらためて目を向けたいのが、輸入車にとっては新車市場に依然として95%分の伸びしろがあるということ。新ブランドを投入して国産車からの買い替えを促せば、既存ブランドを傷付けずに会社として業容を拡大できる。

また「トライアンフって初耳だけど良さそうだし、バイクの免許とってみるか」というような新たなユーザーの掘り起こしも一部可能かも知れない。そういった狙いの下、今回は既存のブランドを強化するというよりも新たなブランドでの新規出店に至ったのだろう。

国分 紀芳

国分 紀芳

1985年生まれ。石川県出身。慶應義塾大学商学部を卒業後、北國新聞社に入社。キャリアの大半を経済記者として過ごす。2022年2月に独立・起業した。

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