【続報②】金沢・日本郵政跡ホテルは「ザ ホテル山楽 金沢」/開業は2022年12月

【続報②】金沢・日本郵政跡ホテルは「ザ ホテル山楽 金沢」/開業は2022年12月

2022年1月3日

※この記事は金沢まちゲーションさん(@kanazawacom)さんの後追いです

ケン・コーポレーション(東京)とケン不動産リース(同)が金沢市尾張町1丁目の日本郵政金沢ビル跡地で開発していたホテルの名称が「ザ ホテル山楽 金沢」になる見通しとなった。

当初「2023年初頭」としていたオープン時期は2022年12月に少しだけ前倒しとなるようだ。さらに客室数は当初、223室とされていたが、215室になる見込み。

もともとの計画によると、敷地面積は1227坪で、地上6階、地下1階建て、延べ床面積4797坪の建物をつくる。土地は日本郵便が所有し、ケン・コーポが土地を借りてホテルを開発し、ケン不動産リースがホテルを運営する予定だった。

客室がやや減ったのは、1部屋当たりの面積を大きくしたからなのか、何か新たな機能をつけたのか。気になるところだ。

ホテルの完成イメージ

ケン不動産リースが展開する「プレミアホテルグループ」のホームページを見ると、同グループは現在、国内で24ホテルを営業しており「山楽」を冠するのは5ホテルある。

1つは尾張町の建設地から徒歩数分の「金沢白鳥路 ホテル山楽」。他の4つは栃木の那須温泉と鬼怒川温泉、京都市山科、神戸市中心部にある。ただし「ザ ホテル」との名称は見当たらず。

ホテル名がこのままいくのだとすると、同グループにとって、新たなブランドのホテルということになるのかも知れない。

観光目当ての富裕層に照準、既存ホテルと相乗効果

ちなみに金沢白鳥路 ホテル山楽は「大正ロマン」をイメージした内装で、金沢駅前のホテル群と比べれば低層である。宴会場も持たないため地元住民には縁遠い存在だ。

だからこそ意外に思う地元住民もいるだろうが、実は宿泊料金が金沢のシティーホテルでトップクラスに高く、富裕層に根強い人気を誇っているホテルだ。

今回の「ザ ホテル」では「観光目当ての富裕層をターゲットとする」「金沢白鳥路 ホテル山楽と相乗効果を発揮する」と公言してはいる。ただ、新ホテルの「215室」という部屋数の多さ、金沢の観光のキャパシティーから考えると、例えば「1泊10万円~」のような本当の意味でラグジュアリーなホテルにするのは難しいだろう(そういった部屋もあるかも知れないが)。

そのため、両ホテルによる「相乗効果」は価格帯ですみ分けられる2つのホテルを置くということではなく、白鳥路の大正ロマンに対して何か異なるコンセプトを打ち出して連泊を促すとか、各ホテルにあるレストランのテイストを分けて共用化するとか、そういった形になると想像している。

「外資が来る!」ウワサは いずこへ

あらためて後日にまとめたいと思うが、もともと、地元ホテル業界や不動産業界では、日本郵政金沢ビル跡地は「外資系ホテルが来る!」とのウワサが出ていた時期がある。

金沢駅西にできるのがハイアットに決まったしばらく後のこと。当時、日本郵政金沢ビル跡地は外資の中でも「ヒルトン」が最有力とされていた。

もっとも「されていた」とは言うものの、冷静に考えると、外野が勝手に妄想して騒いでいる、という感じもあった。

ただ、必ずしも妄想と言い切れないと思わせる事実もあった。

2019年12月、ケン・コーポレーションなどがホテル開発を正式に発表した際は具体的なブランドが「未定」とされ、この記事でも掲載したイメージ図にはブランド名が入っていなかったのだ。

そのため、界隈では「やっぱり!今は交渉中で、外資は契約がやかましいから、追って発表するんや!」と、推測を強固にする材料になっていた。

ともあれ、フタを開けてみると「ザ ホテル山楽 金沢」。それ自体には何ら異存はないのだが、筆者も、当時、勝手に盛り上がった人たちの1人として、またも勝手に肩透かしを食った気分になっている。さらに「コロナさえなければ、本当は……」などと、性懲りもなく思い続けている。

国分 紀芳

国分 紀芳

1985年生まれ。石川県出身。慶應義塾大学商学部を卒業後、地元新聞社に入社。キャリアの大半を経済記者として過ごす。2022年2月に独立・起業した。

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