行く末懸念の七尾・パトリア、2022年1月28日にニトリが開店 / 能登最北端の店舗に

行く末懸念の七尾・パトリア、2022年1月28日にニトリが開店 / 能登最北端の店舗に

2022年1月21日

JR七尾駅前の商業施設「パトリア」2階に2022年1月28日、家具販売の「ニトリ」のパトリア七尾店がオープンする。

出典・ニトリ公式ホームページ

営業時間は平日、土日とも午前9時~午後8時。

ホームページ上は「駐輪場 540台」となっているが、さすがに駐車場のことと思われる。入庫から3時間は無料らしい。4時間目が1時間300円。それ以降は30分150円。

駐輪場540台?昔の中国じゃないんだから(笑)

かつては百貨店の大和が入居

さて、パトリアと言えば、一定以上の年齢層だと、七尾駅前で百貨店「大和」が入っているビルという印象を持っているだろう。筆者もギリギリそんな記憶のある世代だが、近年はそうした華やかな面影がなく、施設の行く末が案じられてきた。

それと言うのも、最近では中核テナントだったスーパー「ピアゴ」が撤退し、後継の地元スーパー「カジマート」や書店の「うつのみや」も早々に閉店。駅前の通りに面した下層階の大部分が空く異常事態となっていた。

2021年9月2日の北陸中日新聞によると、パトリアを巡っては、七尾市などが出資した第三セクターの経営会社「七尾都市開発」が2019年春に18億円超の負債発覚に伴って破産申請。市が施設を取得した。

こうした「凋落」の背景には、地域の高齢化と人口減少から、七尾駅の乗降人数の減少があるとみられる。

7月にドンキが開店

結果論になってしまうが、随分と前から「主要駅前」という変なプライドを持たず、氷見や中能登、奥能登までの広域の住民が車で来て買い物して帰るようなテナント構成に転換すべきだった。そんな中、21年7月には1階にディスカウント店「ドン・キホーテ」が開業。しかし、その後に1階から4店が撤退し、2階も埋まっていなかった。

今回2階に入るニトリは、言わずもがな、地元住民向けに安価で家具を販売する店。扱う商品が家具という特性上、基本的には多くの買い物客が車で来店するとみられる。ニトリは隣町・中能登町の「アル・プラザ鹿島」2階にも店舗があるので、自社競合が気になるところではあるが、余計なお世話か。

ともあれ、パトリアが「ターミナル駅前の商業施設」ではなく「500台超の駐車場を持つ地方の商業施設」として大きく舵を切る上で、ニトリは大きなカギになるテナントと言えそうだ。

 

公式ホームページは以下のリンクから。

https://shop.nitori-net.jp/nitori/spot/detail?code=0000005742

国分 紀芳

国分 紀芳

1985年生まれ。石川県出身。慶應義塾大学商学部を卒業後、北國新聞社に入社。キャリアの大半を経済記者として過ごす。2022年2月に独立・起業した。

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