裏写りしない「大人の蛍光クレヨン」/ステッドラー社・テキストサーファー  ゲル/蛍光ペンの代わりに

裏写りしない「大人の蛍光クレヨン」/ステッドラー社・テキストサーファー ゲル/蛍光ペンの代わりに

2021年9月1日

本や書類を読んでいて、重要だと思った部分に印を付ける時、一般的に使うのは蛍光ペンだろう。しかし、今回、強くプッシュしたいのは、蛍光ペンのようで蛍光ペンではないステッドラー社の「テキストサーファー ゲル」だ。

その使い心地を加味して一言で表現すれば、絶対に裏写りしない「大人の蛍光クレヨン」といったところか。

蛍光ペンは液体状のインクがにじみ出てくるのに対し、テキストサーファーは固形のゲルを削って紙に乗せる感じ。その書き味はクレヨンで書いているかのようである。

市販の蛍光ペンは商品によってインクの出方に差はある。出版社の具体名は避けるが、紙がペラペラの文庫本だと、多くの蛍光ペンで裏写りしてしまうことがある。黄など薄い色ならまだしも、ピンクやオレンジなどの濃い色だと、最悪の場合、裏のページが読めないことがある。

想像すれば分かることではあるが、テキストサーファーはクレヨンみたいな構造なので、基本的には紙の裏に移らない。上記の「ペラペラ文庫」でも、光に透かさない限り、裏面にマーキングしたことに気付かないぐらいだ。その割に発色はキレイで、特にオレンジ色は派手過ぎず、かと言って目立たないわけでもなく、ちょうど良い具合だと思っている。

ちなみに、ステッドラーはドイツの文具メーカーで、多くの製図用品を手掛けている。後日紹介するつもりの製図用シャープペンシル「925-25」「925-35」シリーズなどを製造販売している。

 

線を引く精密さには欠ける

ステッドラー日本の公式ホームページによると、テキストサーファーは5色(イエロー、 ピンク、 ブルー、 オレンジ、 グリーン)展開で、1本当たりの価格は165円(税込み)。3色セット(イエロー、 ピンク、 オレンジ、495円)、5色セット(825円)も販売されている。

先端はクレヨンのような形状になっている

1本当たりの重量は13・5グラム。一般的な蛍光ペンとして「蛍コート」の重量は8グラムなので、それよりは重いが、気になるほどではない。

むしろ、軸の太さが12ミリで一般的な蛍光ペンよりは太いため、そちらを気にする人がいるかも知れない。

線を引く際の精密さにも問題はある。細かな塗り絵をする際はクレヨンよりも色鉛筆の方が描きやすい。

先の固い蛍光ペンは細い線や一定幅の線を引きやすいが、テキストサーファーは使う度に先端の幅が変わるため、細い線はもちろん、一定の幅の線を引くことも容易ではない。

よって、テキストサーファーを使う場面として想定されるのは①紙が薄く、他のペンでは裏写りしかねない場合②線の太さなど気にせず、サッと線を引いて重要な場所をマーキングしたい、といったところが考えられる。

金額的にも安価なので、ぜひ一度、ご使用を。

国分 紀芳

国分 紀芳

1985年生まれ。石川県出身。慶應義塾大学商学部を卒業後、北國新聞社に入社。キャリアの大半を経済記者として過ごす。2022年2月に独立・起業した。

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