質実剛健のドイツ製シャープペン/歴史の重み、手にずっしり/STAEDTLER(ステッドラー)925-25

質実剛健のドイツ製シャープペン/歴史の重み、手にずっしり/STAEDTLER(ステッドラー)925-25

2022年4月7日

ものづくり大国・ドイツから来た、質実剛健を具現化したようなシャープペン。それがSTAEDTLER(ステッドラー)社の製図用品「925‐25」「925‐35」シリーズだ。

既に発売から30年以上を経た歴史あるペン。まるで金属ヤスリのようなグリップになっているので、実際に製図で使う方は別として、一般人なら長時間ガシガシ書く人より、休み休み書く程度で、大人っぽく格好いいデザインのシャープペンを探している人にオススメしたい。

筆者が所有しているのは全部で5本

5本も買った辺りから、筆者によるオススメ度合い、満足度を察していただきたい。

見た目はシャープペンである以上、軸が丸いのは仕方ないとして、それ以外はほとんど全て直線的なデザインでできている。何だか「かっちりとした」デザインは機能にも現れており、ひとたび手に持って書いてみれば、圧倒的な剛性感に驚く。

重量は17g。アルミ製のフルメタルボディなので、一般的なシャープペンから見れば重いが、重すぎて筆記に疲れるほどではなく、程よい重量感がある。

何よりの特徴は凶器のようなローレットグリップだ。上述のように、購入当初は金属ヤスリのような刺々しさがある。実際、筆者は買ったばかりの商品を木製テーブルの淵に誤って擦り付けてしまい、テーブルが軽くえぐり取られた経験がある。

ただ、愛用し、使い込むと角が取れてきて握りやすくはなる(半面、グリップ力は下がる)。この時、ネイビーやブラックの軸の商品はローレットグリップの表面が白っぽくなり、シルバー軸のグリップは色が変わらない(汚れが隙間にたまり、やや黒ずむことはある)。

この経年変化を「味」と捉えるか「汚れ」と捉えるかは人それぞれだろうが、汚れとして捉える人はシルバー系の色を選ぶべきだろう

発売は1990年、既に30年以上が経過

さて、冒頭で「925‐25」「925‐35」と併記したのは、大きく分けて、ほとんど同じ2種類の商品があるから。

もともとは1990年に写真にあるシルバーの「925‐25」が発売された。現状の芯径は0.3、0.5、0.7、0.9、1.3、2.0mmの6種類があり、定価は1,320円(税込み)。ロフトや東急ハンズなどとコラボした限定カラー、期間限定のカラーもたくさん出ている(値段は通常品より数百円高くなることも)。

この商品がロングセラーとなり、2010年に20周年を迎えた際、新たな定番品として、ネイビー(正式には「ナイトブルー」)の925-35が発売された。基本的な造りは「25」と同じで、価格も1,320円。芯径は、なぜか1.3mmだけがなく、5種類となっている。

派生商品として「925‐35オールブラック」というのもあり、大人の男性にはこちらがオススメ。先端のガイドパイプがシルバーである以外は全てブラック。道具としては余計なロゴや装飾が気にならない。芯径は0.3、0.5、2.0mmの3種類のみで、定価は1,650円(税込み)。

個体差?筆記時に、ぐらつきが…

筆者愛用の925‐25、925-35だが、5本を購入した経験談で言うと、やや個体差があるのか、筆記時に軽いぐらつきを感じる商品があった。

具体的に言うと、消しゴムや芯が入っている筒と軸の間に隙間があり、筆記時に「カチャカチャ」と音がして集中できなかったのだ。

せっかく質実剛健、剛性感が売りのペンで、これは致命的。そこで、筆者が実践した応急処置を紹介する。

ものすごく簡単な対策で、写真の通り、細めの付箋(ふせん)を巻いて軸との隙間を埋めただけ。たったこれだけのことだが、筆記時のストレスは大きく改善する。もしもこの記事を読んで購入され、カチャカチャと音が鳴ったら、是非この対策を試してみていただきたい。

国分 紀芳

国分 紀芳

1985年生まれ。石川県出身。慶應義塾大学商学部を卒業後、北國新聞社に入社。キャリアの大半を経済記者として過ごす。2022年2月に独立・起業した。

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