百貨店業の大和(金沢市)が2021年10月12日に発表した21年8月中間期の連結決算は、中間期として2期連続の赤字だった。20年に続き、コロナ禍で客足にマイナス影響を受け、売り上げが減っているため。
21年8月中間期 | 20年8月中間期 | 19年8月中間期 | |
売上高 | 17,517 | 14,122 | 22,132 |
純損益 | ▲211 | ▲320 | 517 |
20年の中間期と比べると増収で各損益は改善したが、コロナ禍前の19年の中間期と比較すると、売上高は20・8%減の水準にとどまる。
百貨店事業の売上高は20年と比べて23・4%増の168億7400万円だった。19年と比較すると20・0%減となる。
商品別売上高は見回品が20年比37%増、家庭用品が33%増、食料品が23%増と着実に回復したのに対し、衣料品が9%増にとどまって足を引っ張っている。
店別の売上高は香林坊店が24%増の92億6900万円、富山店が21%増の76億500万円だった。
貸借対照表を見ると、現預金は6億円ほど減り、18億円となっている。受取手形と売掛金も3億円減り14億円となった。
長期借入金は39億円、短期借入金は43億円で計82億円。コロナ禍前の20年2月期の純利益が5億円なので、利益換算で15年以上分の借り入れがあることになる。百貨店という、どちらかと言えば長期的にダウントレンドにある業態で、しかも2年連続の赤字が濃厚な中で、この借入額はかなり大きい。
ちなみに利益剰余金は赤字によりさらに下押しされ、マイナスの21億円となっている。
市況回復の見通し、次年度に後ズレ
同社は市況回復の時期の見通しを、22年2月期下半期から、23年2月期の上期に修正した。
つまり、この下期も事業環境の厳しさは続くということだ。足元では新型コロナの感染が落ち着き始めたが、同社は上記の見通しに従い、赤字を予想する22年2月期の業績予想を据え置いた。