百貨店業の大和、2021年8月中間決算は2期連続の赤字で着地/コロナ禍で客足が減少

百貨店業の大和、2021年8月中間決算は2期連続の赤字で着地/コロナ禍で客足が減少

2021年10月13日

百貨店業の大和(金沢市)が2021年10月12日に発表した21年8月中間期の連結決算は、中間期として2期連続の赤字だった。20年に続き、コロナ禍で客足にマイナス影響を受け、売り上げが減っているため。

21年8月中間期20年8月中間期19年8月中間期
売上高17,51714,12222,132
純損益▲211▲320517
▲は損失、単位は百万円

20年の中間期と比べると増収で各損益は改善したが、コロナ禍前の19年の中間期と比較すると、売上高は20・8%減の水準にとどまる。

百貨店事業の売上高は20年と比べて23・4%増の168億7400万円だった。19年と比較すると20・0%減となる。

商品別売上高は見回品が20年比37%増、家庭用品が33%増、食料品が23%増と着実に回復したのに対し、衣料品が9%増にとどまって足を引っ張っている。

店別の売上高は香林坊店が24%増の92億6900万円、富山店が21%増の76億500万円だった。

貸借対照表を見ると、現預金は6億円ほど減り、18億円となっている。受取手形と売掛金も3億円減り14億円となった。

長期借入金は39億円、短期借入金は43億円で計82億円。コロナ禍前の20年2月期の純利益が5億円なので、利益換算で15年以上分の借り入れがあることになる。百貨店という、どちらかと言えば長期的にダウントレンドにある業態で、しかも2年連続の赤字が濃厚な中で、この借入額はかなり大きい。

ちなみに利益剰余金は赤字によりさらに下押しされ、マイナスの21億円となっている。

 

市況回復の見通し、次年度に後ズレ

同社は市況回復の時期の見通しを、22年2月期下半期から、23年2月期の上期に修正した。

つまり、この下期も事業環境の厳しさは続くということだ。足元では新型コロナの感染が落ち着き始めたが、同社は上記の見通しに従い、赤字を予想する22年2月期の業績予想を据え置いた。

国分 紀芳

国分 紀芳

1985年生まれ。石川県出身。慶應義塾大学商学部を卒業後、地元新聞社に入社。キャリアの大半を経済記者として過ごす。2022年2月に独立・起業した。

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