北陸の上場企業の2024年9月中間決算が出そろった。北陸に本社か本店を置く45社の状況は増益・黒字転換が多数派を占めるものの、44%に当たる20社が通期利益計画を修正しており、事業環境の不透明さを示す格好となった。
今回まとめたのは、①9月中間期の純利益の状況、②通期純利益計画に対する進捗率、③上方修正・下方修正の動向ーの3種類。特に②あたりは投資目的にも活用できるのではないかと思うので、よければご参照を。
※抜け漏れ・誤りなどに気付かれた方は、ご一報くださると幸いです。
9月中間期の純利益、増益率ランキング
まずは9月中間期の純利益を、前年同期実績と比べた増益率をまとめた。純利益は保有していた株や土地を売った利益、固定資産の価値を見直したことによる損失などの特殊要因も込みの利益である点に注意されたい。
増益・黒字転換(下表の水色部分)は26社(57.8%)、減益・赤字(同オレンジ色部分)は18社(40.0%)。不正疑いで決算発表を延期しているサンウェルズは「その他」に分類した。
通期純利益計画に対する進捗率ランキング
次に、中間純利益の通期計画に対する進捗率をランキング化。前半の半年間で年間の50%以上を稼いでいれば、後半は余裕が出て通期業績が上振れする可能性もある(業種によって時期ごとの売り上げや利益の出方が異なる点には注意)。
サンウェルズに加え、通期計画を非公表の会社と赤字予想の会社の計5社を除いた。
通期利益計画の修正の動向
この中間決算発表時もしくは発表直前に通期の利益計画を修正した会社は45社中20社だった。昨年までのデータを持ち合わせていないので比較できないが、肌感覚で最も驚いたのはココだった。
期初時点ではもう少し円高に振れる前提を置いた会社が多かっただろうが、実際はさらに円安が進んだ。足元では1ドル155円前後で推移しており、3月期決算企業が通期計画を示す5月ごろと同水準となっている。
外部要因については中国経済の減速などもあり、前半を終えた時点で通期の計画を修正する会社が半数近くに上ったとみられる。
この9月中間決算では、配当を増やす=増配や自社株買いを発表する会社も多かった(まとめきれませんでした、スミマセン…)。規模はまちまちだが、投資家の存在、企業価値の向上を意識する流れは北陸でも強まっているようだ。