※本記事を公開後に株価の動きを赤字で追記しました。
共同通信社によって診療報酬の不正請求の疑いを報じられたサンウェルズ(金沢市)は2024年11月13日、2025年3月期の中間配当をゼロとし、期末配当予想を未定(もともとは中間、期末とも9円の予定だった)にすると発表した。
決算の数字が未確定で業績の見通しが不透明なためらしい。
それと同時に、9月中間決算の内容などを盛り込む半期報告書について、本来は11月14日までに提出すべきところ、不正に関する特別調査委員会の調査が多岐にわたり、それゆえ長期化するとして、2025年2月12日まで期限を後らせてもらえるよう申請することを決めたとも公表した。
そして、この報告書に関する発表文の中で、特別調査委員会による調査の途中経過に触れた箇所があった。訪問看護の診療報酬の不正請求について
「該当し得る行為が一定の範囲で行われていたことを窺わせる情報が得られている旨の報告」
を受けているとのこと。やたら回りくどい言い方だが、つまり「クロっぽい材料が見つかった」という意味だろう。
もっとも、発表文には「行為を合理的に正当化できる事情が存在するものがある可能性も現時点で否定されない」とも書き添えてある。
「合理的に正当化できる」のが普通であり、正当化できない行為がありそうなことが問題なのに、この期に及んで何を主張したいのだろう…。
株価は時間外取引で22%安に
サンウェルズの株価は上記発表文が公表された2024年11月13日の時間外取引で急落している。19時時点では同日終値より22%ほど安い980円前後で取引されている。
今のところ、通常取引での年初来安値は11月12日の1,195円。このままだと明日(11月14日)は年初来安値を大きく更新するとみられる(ちなみに、年初来高値は3,095円)。
さて、11月14日のサンウェルズ株は売り気配が圧倒的で取引が成立せずに板が張り付き、寄らずのストップ安となった。終値は前日より300円(23.58%)安い972円。
株主が損害賠償請求も?
こうした株価の急落を受け、山崎・丸の内法律事務所(東京)は「サンウェルズ」という具体名をあげて無料相談の受け付けを始めた。
2025年2月にまとまる予定の調査結果の内容によっては、サンウェルズの株式を保有していた株主は株価下落に関して損害賠償請求できる可能性があるという。
サンウェルズは共同通信社の報道直後に「そのような事実は一切ない」と自信満々に完全否定した。筆者は法律の専門家ではないが、もしもこのコメントが嘘だった場合、会社側のIRを信じた投資家が被った損害は騙されたようなものであり、たしかに補償されても良い気はする。