2022年分の総務省家計調査で、食品以外の項目を見てみる。
※食品編は下のリンクから
富山県の一戸建ては延べ173㎡
家計調査は商品の購入代に加え、各種サービスへの出費も集計している。その中で今回注目したのが「庭木・手入れ代」だ。
勝手なイメージだが、2位の京都市や3位の奈良市は維持費の高い「庭園」が多そう。それらの都市を抑えて富山市が1位だ。
実は2018年10月1日に実施した平成30年住宅・土地統計調査で一戸建て持ち家の延べ床面積を都道府県別に比較すると、富山県は全国1位の広さとなっている。ちなみに2位が福井県で、石川県は4位だった(※ 庭の面積ではない点に注意)。
仕事で計4年間、富山市に住んだ筆者としては納得の1位である。富山県の住宅は全体に規模が大きい。特に県西部では、敷地の周囲に堀のような水路があり、塀があり…と本当に城のような家が散見される。
よって、富山市の植木の手入れ代金が日本一というのは、いかにも華美な日本庭園を設けているからというよりは、広いから維持に金がかかる、といった構図だろうと推察する。
同じような理由なのか、富山市は「室内装備・装飾品」でも全国2位に入っている。
1、2、3フィニッシュ
タイトルにある通り、北陸3都市は電気代で全国トップ3を独占した。
北陸電力の料金は全国で最も安いはずで、そう考えると矛盾するように思えるが、これは冷暖房に要する電気代がかさむほか、前述のように住宅規模が大きいという理由が考えられるだろう。
一方でガス代に関しては福井市、金沢市が全国有数の安さとなっている。オール電化の家が多いということなのか、理由は今一つ分からない。
金沢市で出費が多い項目が目立つ
このほか、北陸3都市が全国上位あるいは下位に入った項目は以下の通り。特に金沢市は全国最高クラスに多く出費する項目がいくつもあった。
例えば電気代は「北陸」という地域で同じような支出金額になり、そろって全国上位を占める結果となった。
一方、食品では県境をまたぐだけで消費の傾向が大きく異なる。そんな中でも、どちらかと言えば金沢市と富山市は一緒に上位に入る項目が多く、その2市から見ると福井市は異質な感じがある。こういうところに、地域性を考える面白さがあると再認識した。