PLANTが「最強の生活インフラ」を標榜 / 2021年9月期の決算は増収増益

PLANTが「最強の生活インフラ」を標榜 / 2021年9月期の決算は増収増益

2021年10月23日

PLANT(坂井市)は22日、2022年9月期(今期)から26年9月期までの5カ年を対象とした中期経営計画を発表した。「生活のよりどころ」を経営理念として「最強の生活インフラ」を目指すという。

そのために掲げた重点施策は3つ。

  • 改装  既存店の活性化による客数・売り上げの増加
  • PB(プライベートブランド)  差別化による客数増と粗利改善
  • R-9  人件費9億円削減

同社には新規出店による売り上げ拡大を図った。確か当時は出店エリアを急に拡大し、奥能登にも新店を設ける計画があったはずだ。ところが、急な出店増がたたったのか、既存店の収益力の低下と新店業績の低迷を招き、営業利益率が急低下した。

その反省から、近年は新店開発をいったん中止し、収益力の改善を目指してきた。21年9月期に1・60%だった営業利益率は、中期経営計画期間中に3・0%以上まで高める。

改装は「ワクワク感」を切り口に、22年9月期は2店以上、23年9月期以降は年間4店ほどの改装を予定する。

キッチンやアウトドアなど、生活シーンごとに専門店のようなレイアウトにする「ショップ化」を進めるそうだ。

 

PB売り上げを3倍に、今期中にAI発注を導入

21年9月期に16億円だったPB売り上げは、3年後に3倍の58億円に高める。そうなると、売り上げ構成比は6%に高まり、粗利益率は0・5ポイント向上するという。

人件費の提言は単に人員を削減するのではない。各店で行っている作業をセンターに集約して効率化し、総菜加工などの単純作業を機械化する。人工知能(AI)を活用した自動発注システムを今期中に導入する。

 

22年9月期も増収増益を予想

PLANTが22日に発表した21年9月期の単体決算は増収増益だった。

売上高は前期比0・1%増の962億4100万円、営業利益は12・1%増の15億4300万円、純利益は10・6%増の11億5500万円だった。

配当は実施済みの中間5円に加え、期末が16円で、年21円。前期と比べて3円の増配となる。

22年9月期の業績予想は21年9月期実績と比べ、それぞれ1%未満の増収増益となる。年配当はさらに1円増の22円を見込んでいる。

価格競争の激しい小売業なので、配当利回りは高くない。しかし、配当性向(純利益に占める配当の構成比みたいなもの)は21年9月期で14・6%、22年9月期で15・1%にとどまる。上記のように、今後は店舗やシステムへの投資が多少かさむかも知れないが、まだ将来的な配当余力はあるとみている。

国分 紀芳

国分 紀芳

1985年生まれ。石川県出身。慶應義塾大学商学部を卒業後、北國新聞社に入社。キャリアの大半を経済記者として過ごす。2022年2月に独立・起業した。

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