田中化学研究所、2022年3月期(通期)の業績予想を上方修正 / 最終赤字9億予想 → 最終黒字6億に

田中化学研究所、2022年3月期(通期)の業績予想を上方修正 / 最終赤字9億予想 → 最終黒字6億に

2021年10月27日

株価は時間外取引でストップ高

EV(電気自動車)関連銘柄の田中化学研究所(福井市)は2021年10月26日、2022年3月期の単体業績予想を修正し、当初の赤字予想を、一転して黒字予想に引き上げた。これを受け、同社の株価は時間外取引で26日終値より150円(15・32%)高い1129円でストップ高となっている。

 

売上高営業損益純損益
前回予想33,000▲650▲900
修正予想43,000800650
前期実績22,754▲20▲414
単位は百万円。▲は損失

上の表の通り、もともとは前期よりも赤字が拡大するとしていた保守的な予想が、ここに来て180度方向転換し、黒字見込みとなった。実は田中化学は2019年3月期から3期連続で赤字となっており、今回、黒字になれば4期ぶりの黒字となる。

売上高は過去最高を更新へ

特筆すべきは売上高の異常な伸びだ。

今回の修正予想は当初予想と比べて88・9%増の水準となる。もっとも、前述の通り予想が保守的に過ぎた可能性もある。

「売り上げが過去最高値を3割上回る」。この凄さを分からない人はほとんどいないだろう。

修正予想のレベルを端的に示すのは、これまで過去最高の売上高だった2019年3月期の326億3200万円を、31・7%上回る水準ということだ。

同社は開示資料で、販売が予想通りに推移したほか、製品の主原料のニッケルやコバルトの相場が上がり、一時的に利益が爆増した、と説明している。

ただ、一方で「当期末までの期間において販売数量が増加基調で推移すること」が予想されるとして、売り上げ予想を大きく引き上げた。

同社が26日に発表した2021年9月中間期決算の説明資料を見ると、この半年間、車載向けのリチウムイオンの販売が好調で、前年の2倍程度で推移している。

営業利益面では、固定費の増加によるマイナス影響が前年同期から大きく増えたが、増収効果が完全に費用増を打ち消した。赤字体質の企業の中には、操業度が一定レベル以上に回復したら、途端に収益が増大する企業がある。田中化学も、まさにそうなのもしれない。

止まらぬEV化の波

EV化の波はもはや止まらない。25日深夜(日本時間)には、米国のEVメーカー、テスラの株価が大暴騰し、時価総額は1兆ドルを突破した。

時価総額が1兆ドルを上回っているのは、グーグル(アルファベット)、マイクロソフト、アマゾン、アップルだけのはず。いわゆる「GAFAM」からフェイスブックを除いた企業群に肩を並べつつあるということだ。

だから、今後も長期的に株価上昇は続くとみているが、1株1000ドルを超え、しかも円安の今、なかなか手を出しにくいのが難点か。

国分 紀芳

国分 紀芳

1985年生まれ。石川県出身。慶應義塾大学商学部を卒業後、地元新聞社に入社。キャリアの大半を経済記者として過ごす。2022年2月に独立・起業した。

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