大和の22年2月期、店舗売上がコロナ前水準に回復、3期ぶり黒字/ただ、今期予想は物足りなさも

大和の22年2月期、店舗売上がコロナ前水準に回復、3期ぶり黒字/ただ、今期予想は物足りなさも

百貨店業の大和(金沢市)の2023年2月期の連結決算は増収で、3期ぶりの黒字を確保した。店舗売り上げは回復基調で、特に香林坊店はコロナ前の2020年2月期と同水準になった。

売上高営業利益純利益
23年2月期実績15,85210370
24年2月期予想16,40025080
単位は百万円

23年2月期と20年3月期の店舗別売上高を並べると、下のようになる(高岡店は2019年8月25日閉店なので半年分の数字。大和はこの間に収益認識のタイミングを変えたが、下の数字は旧基準に統一)。

23年2月期20年2月期
香林坊店21,58321,760
富山店16,44317,274
高岡店2,465
合計38,02741,500
単位は百万円

23年2月期の香林坊店は20年2月期と比べて0.8%減、富山店は4.8%減の水準となっている。高岡店分があるので比較しにくいが、店舗全体の売り上げは8.3%減のレベルまで戻った。

ただ、これが十分な状況とも思えない。コロナ禍の数年間は消費が落ち込んでおり、そもそもはコロナ収束とともに「反動増」まで出るか、と期待されていたはずだからだ。

その本格化はこれからなのかも知れないが、大和が示した2024年2月期の業績見通しは、売り上げが23年2月期比で3.5%増、純利益が12.8%増にとどまる。電気代アップや物価上昇に伴う節約志向の高まりへの懸念は分かるが、投資家として見ると、やや物足りなさを感じた。

国分 紀芳

国分 紀芳

1985年生まれ。石川県出身。慶應義塾大学商学部を卒業後、北國新聞社に入社。キャリアの大半を経済記者として過ごす。2022年2月に独立・起業した。

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