金沢市西金沢3丁目のドラッグストア「スギ薬局 西金沢店」の隣接地に、クリニックが建設されることになった。
場所はもともと食品スーパー「どんたく西金沢店」があった場所。
現状は計画が「西金沢クリニック」となっており、何科の診療所ができるのかは不明。計画でによると、545㎡の敷地に木造2階建て、延べ床面積248㎡の建物を造る。
2023年10月に工事が始まり、2024年3月に完成する見通しだ。
【2023年7月11日追記】現地に内科・循環器内科のクリニックができるとの看板が立ちました。
よく見る「開業クリニック募集」の看板
クリニックができて、その隣に小さな処方箋薬局が入るパターンは、北陸で言うと、あおぞら薬局、てまり薬局などで、お馴染みだろう。
この点、最近になって北陸に進出してきたスギホールディングス(愛知県大府市)がとっている手法は、ドラッグストアを建てて、その隣にクリニックを募るというもの。
下の写真の「開業クリニック募集」の看板は、スギ薬局が出店した敷地でよく見るはず。そして「DCPソリューション」という社名が必ず付されている。
筆者は密かに、このスギ薬局の手法に関心を持っていたが、なかなか併設クリニックがオープンする例を見なかった(筆者の周囲の店では、という意味)。だから、今回の西金沢の事例にはニュース性を感じた。
クリニックと薬局は「独立性」が必須
そもそも、この診療所とクリニックの組み合わせって、どんな関係なのかよく知らないので、調べてみた。
すると、まず大原則としてクリニックと薬局は互いに「経済的、機能的、構造的に独立している」ことが必要らしい。
具体的には資本提供や賃貸借関係が禁止され、役員がかぶってはいけないし、構造設備が分離していることなどが求められる。クリニック側は紹介料をもらってはダメ。
一消費者として見ると、二人三脚というか、一緒に事業を営んでいるようにも見えるけど、思い返すと、確かに建物は別々。処方箋をもらう時も「隣で薬を買って」とは言われず、せいぜい「隣に薬局がありますよ」ぐらいの言い方にとどまる。
じゃあ「DCPソリューション」って何?と思って調べると、スギ薬局のグループ会社(子会社ではない)で、クリニックの開業・継承支援を担うそうだ。金融機関や税理士の仲介も含めて「薬局併設型クリニック」を提案し、開設後の経営支援も手掛ける。
筆者のTwitterフォロワーさんによると、2016年に、クリニックと薬局を近接して展開するような仕組みが可能になったらしい。
上記のように、普通は「クリニックができる⇒薬局を併設させる」という流れなのを、子会社ではないグループ会社で逆流させ、単にドラッグストアしかない競合相手と差別化しようとしているわけだ。なるほどなあ。