※当記事は2023年8月30日14時20分に初稿を公開。16時20分に2回目のアップデートを終えた記事です。
JR西日本は2023年8月30日、北陸新幹線金沢ー敦賀の運転計画を公表し、1日10往復を設定する「かがやき」は5往復を従来通り「原則1県1停車」の速達タイプ、4往復を金沢ー敦賀の各駅にたくさん停まるタイプ。1往復を東京ー金沢のみ運行するタイプにするとした。
開業日は大方の予想通り、2024年3月16日となる(当サイトでは2022年5月の記事で開業日を予想済み)。
目次
東京ー敦賀直通、かがやき・はくたか計14往復
かがやきのうち、5往復は今まで通りに県庁所在地の駅と終着駅の敦賀に停車し、一部が上野にも停まる形となる。東京ー金沢の1往復も、おおむね同じ。
おもしろいのは残る4往復で、小松、加賀温泉、芦原温泉、越前たけふの4駅には「通過または停車」とした。JR西日本金沢支社によると、これら4往復は駅ごとの特性や運行時間帯に合わせて柔軟に4駅それぞれへの停車・通過を設定して運用することになるという。
このあたりはJR西日本作成の資料が分かりやすいので参照いただきたい。
停車駅の多い「はくたか」は15往復中、東京側から見ると5往復が敦賀まで行き、9往復が金沢止まり。1往復が長野ー金沢となる。
つまり、東京から福井県内に直通する新幹線はかがやき・はくたかの合計で14往復となる。
「かがやきタイプのつるぎ」???
富山ー金沢を走る各駅シャトルタイプとして運用されてきた「つるぎ」は25往復(現状のサンダーバードと同じ本数)が敦賀駅で在来線特急サンダーバード・しらさぎに接続する。このうち18往復が富山ー敦賀、7往復が金沢ー敦賀となる。
つるぎに関して興味深いのは、かがやきのように、停車しない駅のあるタイプが新たにできることだ。上の表を見て分かるように、つるぎ25往復のうち、9往復は小松、加賀温泉、芦原温泉、越前たけふの4駅を素通りする。
「つるぎ(はくたか)的なかがやき」をつくる代わりに「かがやきタイプのつるぎ」を設定することで、金沢や富山を出発して関西・中京へ向かう利用者に「たくさんの駅に停まりすぎ。むしろ不便になった」と感じさせないための工夫のようだ(その副作用として複雑にはなるけど…)。
そういう意味では、北陸を新幹線が横断して路線が長くなるタイミングに合わせ、つるぎは必ずしも各駅停車ではなく、北陸域内を高速でシャトルする新幹線だという風に再定義されたとも言える。
ちなみに、他に在来線特急に接続しないつるぎを朝夜に「5本」走らせるらしい。
金沢ー福井は計39往復
以上のように、金沢を境に少し運行形態が異なるわけだ。
ここで、「富山ー金沢」「金沢ー福井」の輸送量を比べてみる(在来線特急に接続しないつるぎ5本を除く)。
富山ー金沢
かがやき10往復、はくたか15往復、つるぎ18往復 …計43往復
金沢ー福井
かがやき9往復、はくたか5往復、つるぎ25往復 …計39往復
東京から福井県内に直通する新幹線が14往復と聞いて不満を持つ福井県民の方もいないわけではないだろうが、筆者としては、金沢を起点に硬軟織り交ぜ(?)、福井県内と首都圏だけでなく、関西・中京圏を結ぶ輸送量もしっかりと確保した印象だ。
再びJR西日本作成の資料の力を借りると、以下のような感じになる。
東京ー福井は36分短縮の2時間51分に
さて、最速の所要時間について。現状の金沢止まりの北陸新幹線を利用した際と比べ、東京ー福井は36分短い2時間51分、東京ー敦賀は50分短い3時間8分になる。
現状、敦賀から東京に向かうには北陸新幹線を利用するというよりも東海道新幹線を利用するだろう。その場合の所要時間を比較した試算があるかどうかは、問い合わせ中。
大阪ー金沢は22分短縮の2時間9分に
現状、金沢からは東京、大阪、名古屋の3大都市圏へ乗り換えなしで行けたが、北陸新幹線敦賀延伸により、大阪と名古屋へは敦賀での乗り換えが必要となる。
では、金沢と大阪・名古屋の所要時間はどうなるか。大阪ー金沢は22分短く、名古屋ー金沢は16分短くなり、ともに最短2時間9分となる。
富山から大阪、名古屋への最短所要時間は、これに26分を足した2時間35分になる。大阪へは29分、名古屋へは23分の短縮効果となる。
なお、北陸陸新幹線敦賀延伸に伴い、特急列車のサンダーバード(敦賀ー金沢・和倉温泉)、しらさぎ(敦賀ー金沢)、おはようエクスプレス・おやすみエクスプレス(敦賀ー金沢)、ダイナスター(福井ー金沢)は運転を終了する。