【祝】鯖江市の眼鏡製造・販売「Japan Eyewear Holdings」、23年11月に東証スタンダードへ上場

【祝】鯖江市の眼鏡製造・販売「Japan Eyewear Holdings」、23年11月に東証スタンダードへ上場

2023年10月13日

福井県鯖江市吉江町に本店を置くJapan Eyewear Holdings 株式会社が、2023年11月に東証スタンダードへ上場することになった。

上場日は11月16~22日のいずれかになる予定で、追って発表される。【追記】上場日は11月16日になりました。

金子眼鏡×フォーナインズ

上場申請のためにつくられた有価証券報告書によると、国際会計基準における直近(2023年1月期)の連結売上収益は107億円、営業利益は22億円、純利益は約3億円となっている。

グループには7社があり、主な事業はメガネの製造・販売。「熟練したクラフトマンシップにより自社で企画・デザインする高品質の眼鏡を製造し、ブランドの世界観を表現した独自の店舗を中心に販売」しているらしい。

大きく分けると「金子眼鏡事業」「フォーナインズ事業」があり、前者は直営店を80店(国内77店、フランス2店、中国1店)展開し、グループ売り上げの6割を担う。後者は直営店を13店(国内12店、シンガポール1店)持ち、グループ売り上げの4割を稼いでいる。

グループ従業員は525人。上場するのは2019年7月設立の新しい会社ではあるが、母体の1つ、金子眼鏡は1958年に鯖江市で「金子眼鏡商会」として創業した。一方、フォーナインズは1995年にブランドが創立されている。

一式単価は7万円台

さて、筆者は未だ裸眼視力が1以上あり、これまで伊達眼鏡を買う際を除いて眼鏡と縁がなかったのだが、有価証券報告書を読んでいて驚いたことがある。それが、このグループが売っている眼鏡の単価だ。

直近の5期と足元の半年間の一式単価(フレームとレンズの購入単価合計)は以下の通り。

19年1月期20年1月期21年1月期22年1月期23年1月期24年1月期
(第2四半期)
金子眼鏡62,070円65,803円67,187円69,157円69,872円70,554円
フォーナインズ72,107円73,489円72,313円72,927円74,611円78,393円

筆者はイオンモールあたりに入っているチェーンの眼鏡店が一式5,000円や7,500円で販売していると認識している。それから見ると、単価は10倍ぐらいである。しかも、少しずつ上昇している。

100万円のコンパクトカーと1,000万円のスポーツカー、450円の牛丼と4,500円の鰻丼と考えると、筆者のような眼鏡素人にも、価格帯のポジショニングが理解できる。

「餃子屋と高級フレンチでは、どちらが儲かるか?」という本が流行った時期があった。

日本社会のボリュームゾーンだった「中流家庭」が減り、個人の価値観が多様化する中、地方のものづくり企業としては、こうした高価格(≒高付加価値)市場を自社で開拓するか、逆にどこかの下請けでなるべく効率良くたくさん作るか、みたいな生き残り方になるのだろうか。

国分 紀芳

国分 紀芳

1985年生まれ。石川県出身。慶應義塾大学商学部を卒業後、北國新聞社に入社。キャリアの大半を経済記者として過ごす。2022年2月に独立・起業した。

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