スルメイカ漁獲量の減少で高騰、相場は5年前から4割高/石川県では能登半島地震の影響も

スルメイカ漁獲量の減少で高騰、相場は5年前から4割高/石川県では能登半島地震の影響も

スルメイカの不足と高騰が話題になっている。全国有数の水揚げを誇る石川県では能登半島地震で漁港がダメージを受けた影響がみられ、漁獲量は平年を大きく下回って推移している。

水産研究機関の調査船が2024年6月中旬~7月上旬に日本海の48定点で調査したところによると、来遊量を示す指標「CPUE」は2024年が平均0.38尾で、2023年の0.49尾や平年の5.95尾を下回り、過去最低となっている。

実際、石川県水産総合センターの資料(2024年10月1日公表)によると、1~8月の石川県内での漁獲量は491tで、平年(過去5年)の1,324tと比べて半分以下(37%)の水準にとどまった。

5月31日に同センターが公表した資料によれば「能登半島地震で能登の漁港が大きな被害を受けており、県外小型いか釣り漁船の入港できる港が金沢港だけになったため、操業隻数が少なくなっています。」という。

スルメイカ不漁は上記のように石川県特有の原因もあるものの、全国的な現象でもある。全国的な状況についてはNHKのニュースでも取り上げられている。要約すると、以下の通り。

漁獲量が2016年から大きく減っている。そこで水産庁は2024年10月16日、都内で不漁の原因や今後の資源管理についての会議を開いた。

会議では水産庁側が小さな個体の漁獲を1t控えたら半年後に3倍以上の重さに成長するとの試算を報告。一方で移動ルートが年ごとに変わるので小型だけを水揚げしないのは難しいと説明した。

水産庁は年内をめどに資源回復の目標や今後の資源管理の方針を取りまとめる。

そんな中、スルメイカの相場動向をまとめたサイトがあったので参照してみる。5年前の2019年に100g当たり163円だったところ、2024年は233円。5年の間に42%高騰している。

魚介類の資源管理は日本国内だけでは解決し切れない問題だし、気候変動に左右されるところもあるので、難しい問題ですね…。

国分 紀芳

国分 紀芳

1985年生まれ。石川県出身。慶應義塾大学商学部を卒業後、地元新聞社に入社。キャリアの大半を経済記者として過ごす。2022年2月に独立・起業した。

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