北陸財務局が景気判断を引き上げ / 上方修正は9カ月ぶり / 個人消費が強く

北陸財務局が景気判断を引き上げ / 上方修正は9カ月ぶり / 個人消費が強く

2022年1月25日

北陸財務局は2022年1月25日、北陸の景気判断を引き上げた。総括的な判断の上方修正は9カ月ぶりとなる。

表現は「新型コロナウイルス感染症の影響により、厳しい状況にあるなか、一部に足踏みがみられるものの、持ち直しつつある」から「新型コロナウイルス感染症の影響がみられるものの、緩やかに持ち直している」になった。

つまり「厳しい状況」「足踏み」という文言が取れたわけだ。

財務局の管内経済情勢報告によると、生産活動には一服感があるものの、個人消費の持ち直しの動きが強くなってきている。先行きは新型コロナによる供給制限や原材料価格の上昇といった懸念が残る中、各種政策の効果や海外経済の改善から、景気が持ち直すとの前提に立ち、判断を引き上げたようだ。

個人消費が持ち直し?

公表資料を読んでも、個人消費は百貨店やスーパー、ドラッグストアなど業態ごとに状況がまちまちで、正直、本当に回復基調にあるのか分からなかった。

肌感覚で言うと、石川県内では1日の新規感染者数が過去最多300人を超える状況なのに、小売店や飲食店の客数は多く、ほとんどコロナの影響を感じないぐらいだ。

もちろん、客数と売り上げは必ずしもリンクしないが、小売業者の声を聞く限り、消費マインドは冷え込んでいないようだ。むしろ、長引くコロナ禍で、今か今かと待ち構えていた「リベンジ消費」の機会がなかなか得られず、普段の「プチ贅沢」に走っている面もないわけではない、と想像する。

もうしばらく見ないと分からないけれども「感染対策と経済活動の両立」なんて出来るのか、と思ったが、意外とそういう方向に着実に進み始めているのかもしれない。

国分 紀芳

国分 紀芳

1985年生まれ。石川県出身。慶應義塾大学商学部を卒業後、北國新聞社に入社。キャリアの大半を経済記者として過ごす。2022年2月に独立・起業した。

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