スポーツオーソリティー松任店が2021年9月5日に閉店へ/白山市のイオン松任店に隣接

スポーツオーソリティー松任店が2021年9月5日に閉店へ/白山市のイオン松任店に隣接

2021年8月14日

イオン松任店やトイザらスと同じ敷地にあるスポーツ用品店「スポーツオーソリティー松任店」が2021年9月5日に閉店する。

下からあおって撮ると、すごく立派な店に見える…

店を経営するメガスポーツ(東京)のホームページによると、同社は1995(平成7)年にジャスコ(現イオン)とThe Sports Authority Stores, inc.の合弁会社として設立した。

松任店は98(平成10)年にオープンしているから、会社設立後4年目にできた、割と古参の店に当たるようだ。

20年ちょっと前というのは、先日閉館したイオン御経塚ショッピングセンターが開業した頃と重なる。

筆者は当時、小学校高学年から中学校の頃なので、詳しい事情をリアルタイムで把握してはいないが、何となく郊外の大型商業施設が増えてきて、週末になると親の運転する車で買い物に行ったのを覚えている。

商業施設で23年間というのは、それなりの年月ではあるが、そもそもスポーツ用品店は倉庫のような飾り気のない建物内に、棚が並んでいる感じの簡素な店が多く、買い物に行っても逆に「古さ」を感じにくい。このスポーツオーソリティー松任店も、決して古さや時代遅れ感はない。

競争環境は多少の変化があったかもしれない。北陸でアルペンは「スポーツデポ」にブランド替えしたし、ゼビオも少しずつ店舗の移転などを進めているように見える。アウトドアブームは根強いし、ランニング人気も根付いたが、子どもの人数は少しずつ減っている。小売業全般に言えるのはインターネット通販との競争で劣勢に立たされていることだ。

イオン系の企業がイオンショッピングセンターの敷地から退店するのには、どんな意味があるのか。もし、そこに出店していることで大きな利益を挙げられるのなら、撤退する必要はないのだが…。

後継店は100満ボルト??狙いが分からないが…

北國新聞の記事によると、 スポーツオーソリティーの後継店は家電量販店の「100満ボルト」になるらしい。

100満ボルトを経営する会社「サンキュー」は、白山市の隣の野々市市に本社を置いており、本社のある金沢本店はイオン松任店と同じ国道8道沿いにある3階建ての大型店だ。小松市には小松本店もある(余談だが、同社ホームページによると、29店のうち、なんと8店に「本店」と付いている。本店だらけじゃないか)。正直に言うと、近くに既存店がないわけでもなく、人口が大きく減っているわけでもないが目立って増えているわけでもない地域で、今さら20年超の物件を借りて「程々」の規模の店を出す意図は理解しにくい。

ただ、何となく思うところはある。妄想全開で言おう。

 

2021年7月にオープンしたイオンモール白山(白山市)には、家電量販店「ジョーシン」がテナントとして入居している。サンキューはこれに危機感を覚えた。

なぜなら、これまでイオン空白県だった福井県に、ちょうどイオン系スーパー「マックスバリュ」ができることが明らかになったからだ。「この分だと、いずれ『イオンモール福井』ができるぞ!」

サンキューはもともと福井県に本社を置いており、今も「登記上の本店」は福井市となっている。晴れて自分の地元にイオンモールができて家電量販店が入ることになった時、それがヤマダ電機やジョーシンやビッグカメラであってはならない。「いつかイオンモールを作る際は、ぜひとも100満ボルトに!」

ところで、イオンには、ある噂がある。「新ショッピングセンターAへの出店を希望する企業に、それを認める代わりに集客力の低下した既存ショッピングセンターBへの出店も条件にする」。真偽のほどは分からないが、実はイオンモール白山のオープンに当たり、同じ店がイオンモール新小松(小松市)にも進出する例があった。

もし、類似の条件が、土日でも駐車場が半分以上埋まることのないイオン松任店と、来る福井第1号イオンモールの間で組まれていたら…。

 

悪ふざけが過ぎたが、有り得ないシナリオではないと思う。

もっとも、実際は、リフォーム専門店など、近隣の自社店舗とも毛色の異なる店にするのではないか、と勝手に予想している。

国分 紀芳

国分 紀芳

1985年生まれ。石川県出身。慶應義塾大学商学部を卒業後、北國新聞社に入社。キャリアの大半を経済記者として過ごす。2022年2月に独立・起業した。

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