日曜の新聞というのは、政治経済関係の動きが少なく、そうした硬派的な記事を好む人には読むところが少ない。そこで、筆者の習慣を1つ紹介する。
タイトルの通り、書評欄に掲載された週間ランキングの比較である。2022年8月28日の北國新聞朝刊には「うつのみや」「金沢ビーンズ明文堂書店」「八重洲ブックセンター本店」のランキングが載っている。
見ると、うつのみやと金沢ビーンズに重複するのは3作品/10作品。うつのみやと八重洲ブックセンターに共通するのは2/10。そして、ビーンズと八重洲ブックセンターに共通するのは0/10だ。
東京駅に近い八重洲ブックセンターでは、上位をビジネスやマネー関連の書籍の新刊が占める。八重洲ブックセンターのランキングに出たビジネス書が、数週間後、うつのみややビーンズのランキングに登場することもあるから面白い。
令和の時代に、こんなタイムラグがあるとは。東京駅近くのビジネスマンは「とりあえず真新しい本は手に取る」のに対し、石川県民は高評価が定まってきた本を選ぶ傾向があるのだろうか。
うつのみや、ビーンズは小説が上位の傾向
うつのみや、ビーンズはともに小説がランキングの大半を占める。たまに石川県高校入試や金沢検定の問題集がランクインする。どちらかと言うと、うつのみやの方が八重洲ブックセンターとシンクロ率が高いのは、うつのみやがビジネスマンの比較的多い市街地に本店を構えるからのように思える。
ところで、こうしたランキングは分母が小さくなればなるほど、小さな要因で変動しやすくなる。1店での集計だと、売れ行きが店内レイアウトに影響を受ける。
例えば、8月28日のビーンズのランキングには、湊かなえさんの本が2冊登場する。ところが、他の2書店には1冊もない。もしかしたら、ビーンズでは「湊かなえ特集」みたいな棚をつくり、独自に売り上げが増えたのか。なぜ、今、湊かなえさんなんだろう? などと想いを巡らせている。