コロナ禍で輸入車が「快走」を続けている。2020年は自動車ディーラーが店舗の営業をできなかったり、受注があってもコロナや半導体不足の影響で生産できなかったりした。その中で輸入車は比較的落ち込みが鈍く、結果としてシェアを高めている。
日本自動車輸入組合によると、2020年度に新規で登録された輸入乗用車(乗用車に限る。バス、トラックなど含まず)は、富山県が前年度比3・9%減の2141台、石川県が11・1%減の2514台、福井県が8・2%減の2084台だった。
一方、北陸信越運輸局と福井県自動車販売店協会によると、各県で新たに登録された乗用車(同、軽自動車を除く)は、富山県が6・9%減の2万3573台、石川県が13・7%減の2万6385台、福井県が6・6%減の1万9240台だった。
富山県と石川県は自動車全体の落ち込みに比べ、輸入車の落ち込みが小さい。そのため、輸入車のシェアは上昇した。まとめたのが次の表だ。
2020年度 | 2019年度 | |
富山県 | 9・08% | 8・79% |
石川県 | 9・52% | 9・24% |
福井県 | 10・83% | 11・00% |
北陸三県のシェアは9・73%に
ちなみに北陸三県の合計でみると、輸入車のシェアは9・56%から9・73%に高まっている。
こう書くと、わずかな変化のようにも見えるが、北陸三県の販売台数のボリュームからすると、0・2%分というのは、年間に150台ほどを国産車側から輸入車側に引っ張り込んだということ。つまり、2、3日に1台分をひっくり返している計算になる。そう考えると多いともとれないだろうか。
この背景には輸入車でも低価格帯の車種が充実してきたことをベースにあると考えられる。これに加えて、今回のコロナ禍が金融危機ではないため、富裕層には直接的に資産に与えるダメージが小さかったことも要因だろう。何なら株高による恩恵を受けた層も少なくないはず。
さらには外出の自粛で旅行や外食の機会が減り、金の使い道がなくなったため、輸入車市場に流れ込んだとも言われている。その証拠に、全国的には輸入車の中でもポルシェやフェラーリなど、高価格帯のハイブランドが好調に推移しているという。